バイクの改造申請が必要な場合とその方法
バイクのカスタムは内容によっては、構造変更、諸元記載変更などで改造した内容を、陸運局や市区町村の役場に申請する必要があります。
ここでは、バイクの改造と各種申請(届出I基準)や注意点、バイク業界全体の傾向や動向について調べてきました。
申請が必要な改造
各種申請が必要なバイクの改造の代表事例は以下のものがあります。
- 高さや長さなど寸法の変更
- 排気量の変更
- 乗車定員の変更
それぞれ、改造したバイクの排気量や改造方法によって、各種申請手続きをする必要性と方法が変わってきます。
バイクの改造申請の種類
バイクの改造申請は次の3種類あります。
- 改造申請書(主に原付や250cc以下の検査対象外車両)
- 諸元記載変更(車検が必要なバイク)
- 構造変更(車検が必要なバイク)
車検が必要なバイクは、「諸元記載変更で済む改造」と「構造変更が必要な改造」があります。
諸元記載変更は、アップハンドルやローダウンなど高さや長さ、幅の寸法が変わった場合に行い、陸運局の検査員に測定してもらうだけの簡単な手続きで行えます。
構造変更はフレームを切ったり加工するなど、おおがかりな改造の場合に必要で、強度計算書の提出など難しい申請手続が必要です。
車検が不要な原付や250cc以下のバイクは原則、バイクを持ち込む必要がなく、書類の申請(いわば自己申告)のみの手続きです。
バイクの改造申請をする基準
バイクの改造申請をする基準は、登録書類の記載内容に変更があるかどうかです。たとえば原付や250cc以下のバイクは、車体に関する項目は、車体番号や排気量、原動機の種類、乗車定員しかありません。
排気量を上げるボアアップやエンジンの載せ換えの場合は改造申請が必要ですが、寸法の変更などは申請不要です。(保安基準不適合の改造はしてはいけません)
250ccを超える車検が必要なバイクは、寸法や車両重要の記載があり、変更点があれば内容に応じて諸元記載変更か構造変更の手続きが必要です。
改造申請の方法
改造申請を行う場所は、原付は管轄の市区町村の役場、125cc超えは陸運局が窓口になります。
原付の場合は、改造申請に必要な書式を役所が用意していません。ネットでフォーマットを探すなど、独自に改造申請書を作成し、役所の窓口に提出します。
(参考URL:http://www.geocities.jp/works_horiba/page039.html)
手書きでも問題ないので、窓口で担当者と相談しながら改造申請書を作る事も可能です。
125cc超え250cc以下のバイクは検査対象外車両は、陸運局で原付と同等の手続きを行います。陸運局によっては改造申請書の書式を用意している場合もあるので、一度問合わせてみるとよいでしょう。
250cc超えの車検が必要なバイクは、諸元記載変更か構造変更で手続きの内容が変わります。諸元記載変更は、陸運局や担当者によって対応が変わります。
検査前に申告を求められる場合もあれば、何も手続きをしなくても、検査ラインを通した時に担当者が測定した結果を勝手に車検証に書き換えられる場合もあります。
諸元記載変更は、車体とバイク名義人の認印があれば、その場で簡単に手続きができます。
改造申請で難しいのは構造変更です。構造変更は強度計算書などの提出書類の作成が困難で、基本的には代行業者に委託して手続きを進めます。構造変更の代行料金は、書類作成、各種手続きを含めて10万円前後が相場です。
小規模のバイク業者は、難しい構造変更は対応してもらえない事が多いです。構造変更代行を専門にやっている業者を探して利用しましょう。
近所のバイク屋で断られた場合には、その地域で構造変更手続きをしている業者を知らないかバイク屋のスタッフに聞いてみるとよいでしょう。
バイクの改造を正しく申請する人の思惑
バイクの改造申請を行う人は、次のいずれかの理由で手続きをしています。
- 改造申請しないと車検が通らない
- 50ccの原付バイクや、125ccの原付2種の排気量を上げて、30kmの法定速度や高速道路走行不可の制限を解消したい
- 違法改造をしたくない
バイクの改造は、本来は改造申請が必要にも関わらず、改造申請をしていない人が多いです。
改造申請をする人の大半は、車検が通らないなどやむを得ない状況や、排気量を上げてバイクの種別を変更する事で都合がよくなる事を理由にしています。
構造変更・諸元記載変更は車検と同時に行うのがセオリー
構造変更や諸元記載変更が必要になる改造は、改造をしてもそのまま乗って、継続車検の時に構造変更や諸元記載変更を同時にやるのがセオリーです。バイク業者に改造申請を依頼した場合も、基本的には車検と一緒に行う事を推奨されます。
構造変更をした場合、継続車検の満了日は申請日から換算して2年間になります。通常の継続車検は、満了日の1ヶ月前であれば、いつ継続検査を受けても従来の車検満了日の2年後が次回車検満了日になります。
つまり構造変更を車検と同時に行う場合、車検満了日ギリギリになってから継続車検と構造変更をした方が、次回車検満了日が長くなります。

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。
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