バイクのサーフキャリア~湘南在住サーファーが解説する活用法~
こんにちは。WEBバイカーの執筆をしているブルです。
私はバイクの他にサーフィンを趣味にしていて、現在はアドレスV100にサーフボードを乗せて海へ出かけています。
今回はバイクにサーフキャリアを付けてサーフボードを運ぶ方法について解説いたします。
バイクに比べるとサーフィンおよびサーフキャリアに関する知識は乏しいのですが、実体験を元に湘南のサーフキャリア事情と私の活用術をまとめました。
既製品のサーフキャリアを使用した場合でも、道路交通法違反に該当する可能性があります。
湘南では最低限のルールとマナーを守ればグレーゾーンとして黙認されていますが、摘発されれば言い訳ができません。
興味のある方は法的リスクを理解し、自己責任でご検討ください。
バイクのサーフキャリアとは
サーフキャリアは名前の通り、サーフボードを運ぶためのキャリアです。既製品のキャリアを付ける方法と自作の2種類があり、私はスクーター(アドレスV100)に既製品を付けています。
海が近い地域では当たり前のものだと思っていましたが、調べてみるとバイクにサーフキャリアを付ける方が多いのは湘南特有の活用法みたいです。
海から近い地域に住宅街が多いことと、サーフィンスポット周辺の駐車場は全て有料になることが関係しているようです。
バイクの他にも自転車にキャリアを付けてボードを運んでいる方もたくさんいます。
バイク・自転車問わず、キャリアベースにボードを載せるアタッチメント(フック部分)を装着。ゴムロープで固定するスタイルが定番です。
スクーターに付ける場合は、前かごを付けるビスとバイク純正のリアキャリアさえあれば、既製品のサーフボードを簡単に取り付けられます。
バイク用サーフキャリアのメリット
私がバイク用サーフキャリアを使って海へ行く一番の理由は、ウエットスーツ・水着のまま移動できることです。車も保有していますが、車の場合は駐車場代のほかに、サーフィンを終えた後にボードをケースへ収納して、自分自身も着替えないといけません。
以前は車のルーフにボードを乗せるキャリアを活用していましたが、着替えの手間と海水で濡れた状態のままボードをルーフキャリアに乗せると、海水で車が傷むデメリットがありました。バイク用サーフキャリアを活用すれば、濡れた状態のままでバイクに乗って帰宅することができます。
私の行く海はボードと足を洗える水道があるので、海水と砂を洗い流してからボードに乗せています。バイクで走っている間にボードが乾き、帰宅したらそのまま玄関にサーフボードを置いて浴室へ直行できるので楽ちんです。
バイク用サーフキャリアは合法?
バイクの荷物積載は以下のルールがあります。
・荷台からはみ出て良いのは縦方向30cm・横方向15cm(それぞれ片側)
・積載する荷物は地上から2.0m以内
・ロープ等で適切に固定することが必要
結論を先に伝えると、既製品のバイク用サーフキャリアの大半は、荷台から横方向へ15cm以上はみ出るため、違法性があります。ただし、警察はサーフキャリアを付けたバイクを片っ端から停めて取り締まりをしているワケではありません。
湘南在住でバイク用サーフキャリア愛用者の著者が感じている傾向としては、バイクのサイズに対して極端に長いボードを積まなければ警察に捕まるリスクが低いです。ただし、バイクからボードのはみ出る範囲を最小限にしても、道路交通法違反の取り締まりを受けない保証はありません。
125cc以下のスクーターは基本的にショートボードのみ。たまにビッグスクーターにファンボードを積んでいる方を見かけます。ロングボードをバイクへ積むのはNGですが、地元の方は自転車にロングボードを積んで移動している方がたくさんいます。
該当する道路交通法違反
バイク用サーフキャリアにサーフボードを積んで移動した場合、以下の道路交通法違反に該当する可能性があります。
・積載物大きさ制限超過違反
横15cm、縦30cmなどを超える積載物を乗せる
・乗車積載方法違反
キャリアやコンビニフックなど、本来荷物を載せるべき場所以外に荷物を載せている。
前かごのビスやリアキャリア以外にキャリアベースを固定する自作キャリアが該当します。
・転落等防止措置義務違反
荷物を紐やロープ等で固定していないなど、積載物の転落防止対策を適切に講じていない。
・転落積載物等危険防止措置義務違反
走行中に積載物を落としてしまう。
いずれも違反点数は1点。反則金は50cc以下5,000円、51~125cc以下6,000円です。
地元民の解釈としては、既製品に適切なサイズのボードを積んだ場合はグレーゾーン、明らかにバイクのサイズに合っていないボードを積んだ場合は警察に停められて違反切符を切られます。
なお、過去に神奈川県県が湘南地域の警察署に対し、バイクへのサーフボード積載を一斉取り締まりする通達を出した事例があります。突然警察の対応・取り締まり基準が変わる恐れがあるので注意しましょう。
なお、BCMニュースにて神奈川県警にサーフボードキャリアの違法性を質問する取材を行っています。
特に気になる文面を抜粋しました。
回答:
完全に無理と言うわけではありません。サーフボードの長さにも色々あるでしょうから、積載制限を越えなければその対象にはなりません。
~中略~
ロングボードはもちろん、ショートボードでも長さによっては対象となります。
引用: BCMサーフィンニュース
気になる方は、BCNサーフィンニュースの詳細をチェックしてみてください。
過去の一斉取り締まり
2003年頃に神奈川県警の通達でサーフボード違法積載行為の一斉取り締まりが行われました。当時はキャリアを付けずにスクーターのシートにボードを置き、お尻でボードを挟み込んで移動する方が取り締まりの対象になっていたようです。
キャリアを使わずにシートにボードを置いた場合、後ろ側へ大きくはみ出ることが問題だったのでしょう。このほか、手でボードを持って片手で運転する行為も取り締まりの対象でした。
それ以降、キャリアを使わずにバイクでサーフボードを運ぶ方は見かけなくなり、サーフキャリアを活用する方が増えました。ただし、キャリアを使用した場合も合法とは言い切れません。
自己責任で活用するとともに、最新の取り締まりに関連したニュースを小まめにチェックしておきましょう。バイクでサーフボードを運ぶ人が少ない地域では警察に停められて、はみ出ている長さを測定されるリスクが高いです。
サーフキャリアの付け方
ここからは私の体験談を中心にサーフキャリアの活用術を紹介いたします。
125cc以下のバイクに付けられるサーフキャリアは、ネット通販等で手軽に購入可能。相場は1万円前後です。
私もネットで1万円ちょっとの既製品を購入しました。
(amazonで買える「サーフキャリア」)
既製品の大半は原付スクーター用で、前かごを付けるビスとリアキャリアに固定します。
最新モデルのスクーターは前かごを付けられない車種があるので、事前に適合可否を確認してください。
キャリアベース前側の画像です。サーフキャリアは複数の商品がありますが、前かごの付く車種なら全て取り付けできる汎用品になっています。
(バイクのサイズに応じてビスの固定幅を変えられる構造)
また、画像で分かる通り、ボードを載せるアタッチメント部分は蝶ネジで固定する仕組みです。
アタッチメントを簡単に脱着できるので、普段はベースのみ付けた状態で日常使用できます。
前側のベースは、厚みのあるナットを噛ませて装着します。
以前はリード90で利用していて、その時はナット2個で装着できました。
アドレスV100はナット2個だとカウルとベースが干渉したため、ホームセンターでナットを買い足して合計3個のナットを噛ませて使っています。
後ろ側のベースです。ビスで固定する位置を前後で調整できるので、バイク純正リアキャリアがあれば、ほぼ全てのバイクに装着可能です。
なお、リアボックスなど他のアイテムと併用することはできません。
短いサーフボードを載せる場合は、後ろ側のベースを前後反転させてアタッチメント装着部分を前側に向けて使います。
下側にはプレートがあり、ビスでバイク純正リアキャリアを挟み込む要領で固定します。
ベースが付けば、ボードを載せるアタッチメントを差し込み、蝶ネジで固定するだけです。
ボードを載せると、このような形になります。
後ろ側はキャリアの範囲内。前側は20cmほどオーバーしています。
なお、サーフボードのサイズは6.2フィート(188.9cm)。ショートボードの中では長めのサイズです。
ボードの固定方法
既製品のサーフキャリア説明書にはボード固定方法の記載がありませんでした。
正しい方法か分かりませんが、私の活用例を紹介します。
ショートボードはフィンを脱着できるタイプが主流ですが、サーフキャリアに積む際はフィンを付けた状態を推奨します。
フィンがあるとサーフキャリアに引っかかるため、前後に大きくズレる心配がありません。
後ろ側の白いフィンに引っかけて、ゴムフックをバイクのキャリアに引っかけます。
非常に簡単ですが、この状態で走行中にボードが落ちることはありません。
私の経験上、フィンにゴムロープを一周回すと、走行中にゴムがズレて外れる恐れがあります。
シンプルに後ろ側のフックを前方向へ引っ張るように固定するとよいでしょう。
前側はゴムロープで回してフック部分に引っかけています。
この状態でも前側は若干不安定で、バイクがスピードの出ている状態で段差を超えるとズレる恐れがあります。
本当は段差の衝撃予防で下方向へ圧力をかける固定が望ましいのですが、サーフキャリア純正ゴムロープで下側に引っかけられる場所がありません。
長いロープを活用するなど、もっと良い方法があるのかもしれませんが、後ろ側でしっかり固定されているので、前側は簡単に固定するだけで問題ないと判断しています。
おわりに
今回は私の経験を元に、既製品のサーフキャリアを活用した事例を紹介させて頂きました。
私の場合、スクーターは海への移動がメインのため、塩害等を考慮してあえて中古の安いスクーターを購入して使っています。
キャリアを自作している方もたくさんいますが、上手に加工する自信のない方は既製品の活用が無難です。
基本的にショートボードでの活用を前提に考え、走行中にすり抜けをする際は細心の注意を払ってください。
違法性を問う意見もありますが、私はこれまでショートボードを積んでいるバイクを警察が取り締まりをしている姿を見たことがありません。
私自身も何度か警察車両の前後を併走しましたが、停められたことはないです。
ただし、道路交通法で明確な基準を設けていて、基本的に横方向へはみ出る長さを基準値である15cm以内に抑えるのは困難です。
警察に停められて違反切符を切られるリスクが一切ないと保証することはできません。
私が使い始めたのは4~5年前。それまでは海の近くにボードを置ける環境があったため、バイクか車で近くまで行ってから、サーフボードを持って歩いて海へ行っていました。
バイクなら砂浜の近くまで行けるので便利で、状況によってはサーフボードが汚れたまま家に持って帰ることができます。
興味があるけどバイクを持っていない方は、手頃な中古スクーターの購入を検討してみてはいかがでしょうか?

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。
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