バイクのエンジンがかからない時の対処法
バイクに乗ろうとした時に、エンジンがかからなかった経験はありませんか?
私は何度もエンジンがかからなくなった経験があります。
いつも、大きな故障をしたのではないかと不安な気持ちになりますが、ほとんどのケースが簡単な原因の対処でエンジンをかけられるようになります。
バイクのエンジンがかからなくなった時の対処法を確認します。
このページの目次です
バイクのエンジンがかからない時のチェックポイント
バイクのエンジンがかからない時は、以下の問題が起こっていないかチェックしましょう。
・エンジンのオンオフスイッチが切れていないか?
・鍵がONまで回っているか?
・バッテリーが上がっていないか?
・燃料コックがオフもしくはリザーブになっていないか?
・ガス欠
・プラグが寿命になっていないか?
・セルモーターの故障
・ヒューズが飛ぶ
・長期間エンジンをかけない事による始動不調
エンジンがかからなくなる原因は、このほかにもエンジンや吸気系の大掛かりな故障も考えられます。
まずは簡単に対処できる原因ではないか確認しましょう。
それぞれの問題を見極めるサインと対処法を紹介します。
エンジンのオンオフスイッチ
250ccクラス以上のバイクを中心に、エンジンのオンオフスイッチが付いているバイクがあります。エンジンのオンオフスイッチの場所は、主にハンドルのスロットル付近で、走行中にも手元でエンジンのオンオフスイッチを操作できるように作られています。
何かの弾みで、エンジンのオンオフスイッチをオフにしてしまうと、キーを回してスタートスイッチを押しても、一切セルモーターが回ろうとせずにエンジンがかかりません。
まずは、エンジンのオンオフスイッチの有無と、スイッチがオフになっていないかを確認しましょう。
キーがONまで回っていない
バイクの鍵は、次の順番で段階的に回るようになっています。
- ON
- イグニッション
- OFF
- ハンドルロック
イグニッションとは、バッテリーの電気を通電するけど、エンジンはかからない状態のスタンバイ状態にします。イグニッションまでキーが回ると、メーターなどが通電されて、ONになっていると勘違いされる方がいますが、ONになっていないとエンジンがかかりません。
また、車種によっては、エンジンをかけないと、メーターやライトなどに電気が通らない設定になっている事もあります。ハンドルロックだけ解除して、キーがOFFの位置のままだと、当然エンジンはかかりません。
初歩的な事ですが、エンジンがかからない時はキーがONまで回っているか確認しましょう。
バッテリー上がり
バッテリー上がりの原因は、バッテリーの寿命と、キーの回し忘れなどによる電気の付けっぱなしの2種類があります。最近のバッテリーは性能が上がり、寿命を迎える直前まで元気に動き、寿命の前兆が出ない傾向があります。
キーをONにしてもセルモーターが一切回らず、ホーンやメーターが動かない場合は、付けっぱなしなどの完全なバッテリー上がりかもしれません。電源が入っても、バッテリーの電圧が弱いとセルモーターの回る勢いが弱く、エンジンがかかりません。
バッテリー上がりの対処法は、キックや押しがけでエンジンをかけるか、バッテリー交換や外部から電源を取ってエンジンを始動させるものです。
燃料コックがオフになっている。もしくはガス欠
バイクに電源が入りセルモーターが回っても、エンジンの燃焼室にガソリンが供給されないとエンジンがかかりません。ガス欠は主に走行中に起こり、家のバイク置き場に停めておいて、後日バイクに乗ろうとした時にガス欠になっているケースは少ないです。
エンジンがかからないときは、まずはガソリンコックがONになっているか確認しましょう。ガソリンコックとは燃料タンクのガソリンを燃焼室に送る切り替えレバーです。一般的なバイクは車体の左側で、バイクに乗った時に膝がいく位置付近(ガソリンタンクの中央の真下付近)にあります。
ONとOFF、リザーブの3つのスイッチがあり、何かの弾みでオフに動いてエンジンがかからなくなる事がよくあります。燃料コックのオフは、バイクのエンジンがかからない理由で上位に入る原因です。
また、リザーブ(予備タンク)になっている場合、ガソリン残量が多くてもリザーブタンクの燃料を使い果たして動かなくなっている場合もあります。燃料コックがオンでも、ガス欠であれば当然エンジンはかからなくなります。
燃料計が故障している可能性もあるので、燃料タンクの中を直接目視で確認してみましょう。
プラグの寿命
プラグとは、ガソリンを燃やすための火花を散らすパーツです。プラグは摩耗すると、黒く焦げ付いて火花が飛ばなくなります。プラグが寿命だと、ガソリンに点火ができず、エンジンがかからなくなります。プラグを外してみて、焦げ色を点検しましょう。
プラグは火花を飛ばすので、ある程度は焦げるのが正常です。薄茶色くらいの焦げ色が正常で、真っ黒に焼けているとプラグの原因でエンジンがかからない可能性があります。プラグの状態を確認して、状況に応じて新品に交換してあげましょう。
プラグは寿命のほかに、ガソリンと空気を取り込む量のバランスが悪いなど、エンジンやキャブ、インジェクションの設定が悪いと、すぐに焦げ付いてしまう場合があります。
給排気やエンジンのカスタムをした直後に、プラグが寿命を迎えた場合は、設定を修正するなどの対応をしないと、すぐにプラグが焼け付く現象を繰り返してしまう場合があります。
セルモーターの故障
セルモーターを回した時に動きが不自然だったり、空回りをしているような音でエンジンがかからない場合は、セルモーターの故障の可能性があります。キックや押しがけなど、セル以外の方法でエンジンを始動させましょう。
キックが付いていないスクーターは、セルモーターの部品交換をしないとエンジンはかかりません。
ヒューズが飛ぶ
ヒューズとは、過大電流でバッテリーなどのショートを起こさないようにする物で、住宅でいうブレーカーのようなものです。ヒューズが飛ぶ(切れる)と、飛んだヒューズの場所にもよりますが、電気が通らなくなりエンジンもかからなくなります。
ヒューズが飛ぶ原因は主に次の要因があります。
・何かの弾みでバイクに通常以上の電気が一時的に流れる
・ケーブルが切れるなどして、ショートして過大電流が流れる
・不適切なカスタムで過大電流が流れている
ヒューズは新しい物に交換すれば、直ります。ただし、一度きりのヒューズ交換で対処できる事よりも、過大電流が流れている原因が別にあり、根本的な対処をしないとヒューズ切れを繰り返す場合もあります。
まずはヒューズを交換して、配線系の簡単な点検を行います。再発してもいいように、しばらくはヒューズを一緒に持って出先でもヒューズ交換できる環境を作っておくとよいでしょう。ヒューズが飛ぶ現象が繰り返したら、過大電流が流れるトラブルが起こっている可能性が高いです。
原因が分からない場合は、整備業者に点検整備を依頼しましょう。
長期間エンジンをかけない事による始動不調
長い期間乗っていないバイクはエンジンがかかりにくくなります。
放置期間が長い事で起こる始動不良の原因は、次のものがあります。
・バッテリーあがり
・キャブやインジェクション、給排気系が詰まっている
・ガソリンが古くなった
長期間エンジンがかかっていない場合は、給排気系に汚れがたまって始動不良を起こしている可能性が高いです。最近のインジェクション車には少ない現象で、キャブ車の方が始動不良をよくおこります。
キャブのオーバーホールや清掃をすれば、エンジンがかかる可能性が高いですが、根気強くセルやキックを回していればエンジンがかかる場合が多いです。一度エンジンがかかれば、吸気と排気で余計な汚れを吹き飛ばして調子がよくなる場合が多いです。
長い時間乗っていない場合はバッテリー上がりやガソリンが古くなっている事を懸念しましょう。2ヶ月以上バイクに乗っていない場合や、3ヶ月以上ガソリン給油をしていない場合は、古いガソリンを抜いて新しいガソリンに入れ替えるとエンジンがかかる場合があります。

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。
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