バイクのバッテリ上がりの対処法
バイクのバッテリーが上がると、エンジンをかけられない問題が発生します。
バッテリー上がりの時の対処法には、セルモーター以外の方法でエンジンをかけるか、外部から電気の供給を受けるなどしてセルモーターを回す方法があります。一度エンジンがかかってしまえば、ヘッドライトやウインカーなど最低限の灯火類は、発電機(ジェネレーター)が動くため動作します。
バイクのバッテリー上がりの対処法をまとめました。
このページの目次です
バッテリー上がりの対処法
バイクのバッテリーが上がった時の対処は次の方法があります。
- キックを使ってエンジンをかける
- 押しがけでエンジンをかける
- 車や他のバイクからブースターケーブルを繋いでエンジンをかける
- 新品のバッテリーに交換する
- バッテリーを充電する
- ロードサービスを呼ぶ
バイクのバッテリーが上がった時は、エンジンをかけて、自宅や整備業者までバイクを走らせる事を考えましょう。バッテリー上がりだけのトラブルであれば、エンジンさえかかれば、灯火類などは問題なく動作します。
完全なバッテリー上がりの場合は、ウインカーが点滅しにくくなるケースがあります。ウインカーで合図する時はブレーキを踏まず、低いギアでエンジンの回転数をあげるなど、電気をウインカーに回せるような乗り方を心がけましょう。
バッテリー上がりでエンジンを再始動できた時は、エンストしにくいように暖気運転を行い、ウインカーやブレーキランプ、ヘッドライトの灯火類の点検をしましょう。
セルモーターなしでもエンジンがかけられるバイク
バッテリーが上がるとセルを利用できなくなりますが、以下のいずれかのバイクはセルモーターなしでエンジンをかける事ができます。
- キック付きのバイク
- ミッションバイク(クラッチ付き)
キックが付いているバイクは、原付スクーター、ストリートバイク、オフロードバイクなど単気筒バイクが多いです。このようなバイクは、バッテリー上がりのトラブルリスクが少ないメリットがあります。
ミッションバイクで、なおかつクラッチが付いているバイク(カブなどのクラッチなしミッションバイク以外)は、押しがけでエンジンをかける方法があります。
押しがけの方法
押しがけとは、バイクを押して一気にギアを繋ぐ事で、エンジンを回して再始動する方法です。
バイクは本来エンジンが回転すると、クランクシャフトを通じてスプロケットが回ってタイヤが回転します。押しがけは、通常のエンジンが回っている状態と逆の原理で、タイヤを回す力を利用して、エンジンを回転させてプラグから火花を飛ばし点火させます。
ちなみにキックが付いているバイクは、キックでエンジンを回してプラグから火花を飛ばしエンジンに点火しています。押しがけは、キックの変わりにタイヤが動く力を、タイヤ、クランクシャフトを通じてエンジンに伝えます。
押しがけの方法は次の手順です。
- キーをONにする
- ギアを1速もしくは2速に入れてクラッチを握る
- バイクを押して走り出す
- バイクの飛び乗って、軽くジャンプをしてリアサスペンションを沈める(リアタイヤに加重をかける)
- 軽くジャンプしてリアサスペンションを沈めた瞬間に一気にクラッチレバーを離す
私の経験上、ギアは2速に入れた方が成功率が高いです。
クラッチレバーを離した時にリアタイヤに加重がかかっていないと、タイヤがロックして転倒する恐れがあります。スピードが乗らない場合は、誰かにバイクを後ろから押してもらったり、下り坂を利用するとよいでしょう。
キックが付いていないスクーター(クラッチなしのバイク)の場合
キックスタートも押しがけもできないスクーターなどは、電気を供給してセルモーターを回す以外にエンジン始動の方法はありません。
バッテリーが上がったバイクのセルモーターを回すには、次の方法があります。
- ブースターケーブルを繋ぐ
- 新品のバッテリーに交換する
- 整備業者などでバッテリーを充電する
- ロードサービスを呼ぶ
ブースターケーブルを繋ぐ時は。救援される(バッテリーが上がっている)バイクのマイナスを最後に繋ぎます。お互いのバッテリーのプラス同士、マイナス同士に接続するようにしましょう。
救援する側(バッテリーが生きている方)はエンジンをかけて、空ふかしをして回転数を上げると、バッテリーの電圧が上がってエンジンがかかりやすくなります。
バッテリーの充電やブースターケーブルによる接続は、ガソリンスタンドや車整備業者で対応してもらえる事があります。バッテリーが上がった場合は、近くに救援してくれる業者がないか探してみるとよいでしょう。
近くに救援を依頼できる業者がなく、助けを呼べる人もいない場合は、押して帰るかロードサービスを利用するしかありません。任意保険やクレジットカードにロードサービスが付いていないか確認しましょう。チューリッヒのバイク保険はロードサービスのサービス範囲が広く評判が良いです。
バッテリー上がりの時の新品交換の必要性
バッテリー上がりの原因が寿命ではなく、キーの回しっぱなしや長時間放置による漏電の場合は、エンジンをかけて走っていれば再度充電されて、バッテリーが復活する可能性があります。ただし、バッテリーは一度上がると、最大充電容量が減少して寿命が早くなってしまうデメリットがあります。
キック付きのバイクや、押しがけ可能なミッションバイクの場合は、一度充電を試みてバッテリーの新品交換をせずに様子を見るとよいでしょう。キックなしのスクーターや、押しがけをするのが怖い方は、バッテリーが上がったら、バッテリーの使用期間を問わず新品に交換した方が安心です。
バイクのバッテリーの寿命は2〜5年が目安です。原付などバッテリーの容量が小さいバイクは2〜3年で交換時期を迎えます。バッテリーが上がった時は、その場の対処ができても、新品交換を検討してみるとよいでしょう。

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。
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