バイクの自賠責保険と任意保険で異なる補償範囲や保険料

バイクの保険には自賠責保険と任意保険があります。車に乗っている人であれば馴染みがあるかもしれませんが、馴染みのない方に向けて、それぞれの保険の違いについて紹介します。

まずは、それぞれの保険の特徴と補償内容について理解しましょう。

バイクの自賠責保険とは?

バイクで公道を走る為には必ず加入しなければいけない強制保険です

加入期間は250ccを超える車検が必要なバイクであれば、新車時に3年で加入して、車検を継続するタイミングで2年ごとに自賠責保険も更新していきます。250cc以下の車検が必要にしないバイクと原付は、1年〜5年で任意の期間で加入できます。

自賠責保険に加入していないとどうなる?

事故を起こした時に保険金が支払われないだけでなく、加入が義務付けられている強制保険ですので道路交通法違反で重たい処罰を受けます。免許証の違反点数が6点加点されて、免許が綺麗な人でも一発免停になり、さらに50万円以下の罰金が科せられます。

車検が必要なバイクは自賠責保険に加入していないと継続検査を受ける事ができません。バイクに乗る時は必ず自賠責保険に加入しましょう

自賠責保険の保証内容は?

自賠責保険の目的は被害者救済です。交通事故で歩行者や、車・バイクに乗っている人を死亡・後遺症・ケガをさせてしまった時の賠償金額を保証します。相手の車やバイクを破損させた時などの対物賠償や、バイクに乗っている人や同乗者の死亡や怪我を保証する搭乗者障害などはついていません。

対人賠償のみの保険で、支払いにはそれぞれ上限金額が設定されています。

・障害による損害補償:被害者1名あたり120万円
・後遺症障害:被害者1名あたり 最大4,000万円
・死亡障害:被害者1名あたり最大3,000万円

それぞれ被害者1名あたりの補償金額です。自賠責保険は被害者の上限人数はありません。仮に事故が原因で10名を死亡させてしまった場合は、3,000万円×10名分の保険金が支払われます。

保険料はバイクの種類と期間によって一律料金

自賠責保険は加入が義務付けられている強制保険で保険会社は営利目的で販売する事はできず、各保険会社一律料金になっています。ベテランライダーや免許を取得したばかりの新人ライダーまで、誰が加入しても、バイクと期間が同じであれば保険料は変わりません。

自賠責保険料の一例を紹介します。

●125cc以下
12ヶ月 7,280円
24ヶ月 9,870円
36ヶ月 12,410円
48ヶ月 14,890円
60ヶ月 17,330円

●125cc超え250cc以下
12ヶ月 9,510円
24ヶ月 14,290円
36ヶ月 18,970円
48ヶ月 23,560円
60ヶ月 28,060円

●250cc超えのバイク
・24ヶ月 13,640円
・25ヶ月 14,010円
・36ヶ月 18,020円
・37ヶ月 18,380円

バイクの任意保険の特徴や自賠責保険との違い

任意保険は、バイクに乗る人が任意で加入する保険で、自賠責保険で補えない部分を補填する事を目的にしている保険です。加入をしなくても法的な罰則はありませんが、交通事故による高額な賠償責任を回避できるメリットがあります。

保険料は、等級(保険加入期間や事故の件数により変動)、年齢条件、補償内容によって変わります。補償内容は対人賠償、対物賠償、搭乗者傷害、車両保険(取り扱いがない保険会社もあります)などがあり、任意の項目のみ加入する事ができます。

一般的には対人、対物の相手側へ対する賠償を無制限で加入し、その他お好みでご自身の怪我や死亡を補償する搭乗者傷害や、バイクの修理・再購入費用を補償する車両保険に加入します。

バイクの任意保険は車の任意保険に比べて加入率が低く3〜4割程度ですが、バイクを乗るということは万が一の交通事故で一生かけても払えないような賠償責任を負う可能性があります。必ずバイクに乗る時は自賠責保険とは別に任意保険にも加入するようにしましょう

任意保険で対人・対物無制限に加入していた場合と、自賠責保険しか加入していなかった場合の、事故を起こして賠償責任を起こした際の違いを実際の事例を交えて紹介します。

交通事故の加害者になり、相手の車に乗っていた同乗者4名を怪我させてしまった場合

自賠責保険では、最大120万円×4名まで補償します。この補償金額内で収まれば任意保険に未加入でも実費負担はありません。仮に完治までの期間が長引き、被害者1名あたり150万円の賠償補償が発生した場合は、120万円を超える30万円×4名の120万円を自己負担しなければいけません

任意保険で対人賠償保険に加入していれば、120万円を超える賠償を保険で補償してもらえます。怪我に対する賠償は、治療費の他慰謝料や休業手当金なども発生するので、賠償金額は高額請求になる事が多いので、任意保険に加入していれば安心です。

歩行者を轢いて死亡させてしまった場合

死亡事故を起こした場合の賠償責任は、被害者の年齢や職業などによって賠償金額が変わってきます。平均的な賠償金の相場は被害者1名あたり1億円です。定年退職後の高齢者などは賠償金が低くなり、将来が明るい子供や医学部の学生、医者、弁護士などが被害者になった場合、2億円〜3億円の賠償責任を問われる事もあります。

任意保険の対人賠償無制限に加入していれば、賠償金額に関わらず全額保険で対応できますが、自賠責保険だけの場合、死亡補償は3,000万円しかありません。仮に1億円の賠償責任の裁判所の判決が出た場合には、自賠責保険からはみ出る7,000万円を自己負担しなければいけません。

実際に任意保険に加入していなかった為に、死亡補償の賠償金を払う事ができず、家や財産を全て手放し一生賠償金を払う為に贅沢もできずに働かなければいけない状況になった人はたくさんいます。数千万円〜数億円の借金や賠償責任を負うリスクを回避する為にも任意保険への加入は必ず入るように公的機関からも呼びかけられています。

前を走っている車に追突して、修理代金50万円を請求された場合

自賠責保険は対人賠償のみですので、車などの物的補償は自己負担しなければいけません。任意保険に加入していなければ修理代金の50万円を全額支払わなければいけませんが、任意保険の対物賠償に加入していれば保険で対応してもらう事ができます。

車の修理代金は数十万円で済む事が多いですが、店舗に突っ込んで破損させた場合は、お店を休業させる営業補償をしなければいけないので賠償金は数百万円単位になります。高級品を積載しているバイクを横転や転落させる事故や踏切事故を起こした場合は、対物賠償責任は更に高額になる事もあります。

バイクは車に比べて、物を壊す能力は車両が軽いため少ないですが、状況によってはバイクの事故でも高額請求に発展します。なるべく対物賠償保険も無制限で加入しておくようにしましょう。

その他自分に対する補償

任意保険に未加入の場合は、当然自分自身や自分の愛車に対する補償はありません。任意保険で自分に対する補償も手厚く加入しておけば、単独事故で怪我をした場合や事故によって破損したバイクの修理代、バイクのトラブルによるロードサービスなども補償を受ける事ができます。

任意保険は示談交渉を行ってくれる

任意保険に加入する大きなメリットとして、事故を起こした時の相手方との示談交渉を行ってくれる点があります。自賠責保険のみしか加入していない場合は、自分自身で相手側と交渉したり、実費で弁護士やその他法律専門家に依頼しなければいけません。

加害者になった場合だけではなく、被害者の場合なども専門の事故担当スタッフが、面倒な示談交渉を全て代行してくれて、被保険者に有利な方向に話が進むように努力してくれます。

また、バイクや車を相手に事故を起こした場合は、過失割合を相手との協議の上で決定されます。よく事故を起こした時には10対0や5対5などの過失割合の話が出ますが、任意保険に未加入の場合は、こうした過失協定の話合いが不利になってしまうことがあります。

実際に事故を起こした場合の手間や心強さという面でも、任意保険に未加入の状態では大きなリスクになる事を認識しておきましょう。

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