2017年版250ccクラスネイキッドバイク比較
2017年8月現在、国産主要メーカーのラインナップに並んでいる250ccネイキッドバイクは次の車種があります。250ccネイキッドの現行モデルを、スペック、価格、デザインと、ベテランライダーの著者の評価を合わせて比較しました。
・カワサキ Z250SL
エンジン形式、馬力・トルク、価格を比較
バイクと価値はエンジンやパワーだけで決まるものではないですが、価格と1番密接な関係にあるのがエンジンスペックです。
各バイクのエンジン形式、最高出力、最大トルク、価格をご覧下さい。
・ホンダ VTR(VTR-F)
エンジン形式:水冷4ストロークDOHC4バルブV型2気筒
最高出力:22kw(30PS)/10,500rpm
最大トルク:22N・m(2.2kgf・m/8,500rpm
価格:598,320(VTR-F619,920円)
・ホンダ CB250F
エンジン形式:水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒
最高出力:21kw(29PS)/9,000rpm
最大トルク:23N・m(2.3kgf・m/7,500rpm
価格:464,000(ABS515,160円)
・スズキ GSR250
エンジン形式:水冷4ストロークSOHC2バルブ直列2気筒
最高出力:18kw(24PS)/8,500rpm
最大トルク:22N・m(2.2kgf・m/6,500rpm
価格:456,840円
・スズキ ST250Eタイプ
エンジン形式:空冷4ストロークSOHC2バルブ単気筒
最高出力:14kw(19PS)/7,500rpm
最大トルク:21N・m(2.1kgf・m/5,500rpm
価格:484,920円
・ヤマハ MT-25
エンジン形式:水冷4ストロークDOHC4直列2気筒
最高出力:27kw(36PS)/12,000rpm
最大トルク:23N・m(2.3kgf・m/10,000rpm
価格:523,800円
・カワサキ Z250ABS
エンジン形式:水冷4ストロークDOHC4バルブ直列2気筒
最高出力:23kw(31PS)/11,000rpm
最大トルク:21N・m(2.1kgf・m/8,500rpm
価格:553,500円
・カワサキ Z250SL
エンジン形式:水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒
最高出力:21kw(29PS)/9,700rpm
最大トルク:22N・m(2.2kgf・m/8,200rpm
価格:437,400円
250ccのネイキッドバイクは、水冷DOHC4バルブの2気筒エンジンがスタンダートです。
CB250FとZ250SLは単気筒、GSR250はSOHC2バルブ、ST250Eタイプは空冷単気筒エンジンのため、価格設定は割安でエンジン性能はライバルに劣っています。
CB250FとZ250SLは単気筒エンジンのため、低燃費でランニングコストが安いメリットがあります。
GSR250はピークパワーのエンジン回転数を低く設定しているため、街乗りなど実用域での扱いやすさを重視しています。
ST250Eタイプは、ネイキッドの中でもクラシックスタイルのため、ライバルとスペック面で比較すると劣っていますが、デザイン性とフィーリングを売りにしています。
パワーだけで見ればヤマハのMT-25が一歩抜け出しています。価格帯はライバルよりも高めですが、スポーツ性能を求める方にオススメです。
カワサキZ250シリーズはABS標準装備で付加価値をつけています。
扱いやすさの比較
250ccクラスのネイキッドは、初めて自動二輪を購入する方や女性ライダーなど、扱いやすさを重視して選ぶ方が多いです。
バイクの乗りやすさは、以下のスペック情報で見極められます。
・重量 → 軽い方が扱いやすい
・シート高 → 低いほど足着き性が良い
・中低速トルク →ピークパワーの回転数が低いほど扱いやすい車種が多い
重量比較
・ホンダ VTR(VTR-F) : 160kg(VTR-F163kg)
・ホンダ CB250F : 158kg(ABS161kg)
・スズキ GSR250 : 183kg
・スズキ ST250Eタイプ : 146kg
・ヤマハ MT-25 : 165kg
・カワサキ Z250ABS : 170kg
・カワサキ Z250SL : 148kg
スペックだけを見ると、単気筒のZ250SL、ST250Eタイプ、CB250Fが軽いです。
GSR250はライバルよりも重量がありますが、造りがしっかりしていて高速走行でも安定性が高いメリットがあります。
シート高比較
・ホンダ VTR(VTR-F) : 755mm(VTR-F740mm)
・ホンダ CB250F : 780mm
・スズキ GSR250 : 780mm
・スズキ ST250Eタイプ : 770mm
・ヤマハ MT-25 : 780mm
・カワサキ Z250ABS : 785mm
・カワサキ Z250SL : 785mm
シート高は高い方が、バンク角とサスペンションの減衰幅を出しやすいメリットがありますが、扱いやすさという点ではシート高が低いほど有利です。
各モデルを比較するとVTR250だけライバルよりも低く、そのほかはほぼ同じ水準です。
5mm〜15mmのシート高の差であれば気にしなくていいでしょう。
中低速トルクの比較
最高出力、最大トルクについては前述の「エンジン形式、馬力・トルク」をご覧下さい。
中低速トルクは最大トルクの発生域が低ければいいという訳ではなく、最高出力や最大トルクの大きさとの関係性も重要です。
要点をまとめると以下のとおりです。
・ホンダ VTR(VTR-F) : 平均的水準
・ホンダ CB250F : 中低速トルクが太め
・スズキ GSR250 : 中低速トルクが太め
・スズキ ST250Eタイプ : 平均的水準
・ヤマハ MT-25 : 高回転型エンジンで中低速トルクが細い
・カワサキ Z250ABS : 平均的水準
・カワサキ Z250SL : 平均的水準
中低速トルクが太いと、低速域でエンストしにくく、街乗りなどスピード出さない場所でも扱いやすいメリットがあります。
デザインの比較
250ccのネイキッドは、大きく分けると「王道ネイキッド」、「スポーツネイキッド」、「クラシックスタイル」の3種類があります。
王道ネイキッドとスポーツネイキッドの違いに明確な基準はないですが、一般的にハーフカウル付きやスポーツバイクのような高い位置にタンデムシートがあるバイクを、スポーツネイキッドと呼ばれることが多いです。
スポーツネイキッドはストリートファイターと呼ばれることもあります。
スポーツネイキッドの多くは、スポーツバイクの派生車種になっていて姉妹車種があります。
現行モデルは以下のデザインに区分されます。
・ホンダ VTR(VTR-F) : 王道ネイキッド
・ホンダ CB250F : スポーツネイキッド
・スズキ GSR250 : スポーツネイキッド
・スズキ ST250Eタイプ : クラシックスタイル
・ヤマハ MT-25 : スポーツネイキッド
・カワサキ Z250ABS : スポーツネイキッド
・カワサキ Z250SL : 平均的水準
デザイン面ではMT-25とZ250SLがよりスポーティーなデザインです。
CB250FとGSR250はフロントカウル以外は王道ネイキッドに近く重厚感があります。
VTRは王道ネイキッドに分類されますが、ドゥカティのモンスターと同じデザイナーが手掛けたスタイルで個性が強いです。
デザイン面は自分の気に入ったバイクを評価することが大切です。
おわりに
250ccのネイキッドバイクを総合的に判断すると、以下の特徴とオススメできるターゲットが絞られてきます。
〜VTR(VTR-F)の特徴〜
・現行モデル一番のロングセラーモデルでバランスが良い
・車両価格は割高ですが、新型車が多いここ数年でも中古相場は上昇傾向でリセールバリューが高い
・シート高が低いので小柄な方や女性にオススメ
〜CB250Fの特徴〜
・ヒット車種のCBR250Rをベースにしているので信頼性が高い
・単気筒エンジンで燃費が良く、部品代が安いのでランニングコストが安い
〜GSR250の特徴〜
・重量があるが中低速トルクが太く扱いやすい
・低速域から高速域まで安定感がある
・2気筒エンジンだが価格設定が安くコストパフォーマンスが高い
〜ST250Eタイプの特徴〜
・唯一の現行250ccクラシックスタイルのネイキッド
・デザイン性に惚れ込めないならスペックで劣るので選ばない方がいい
〜MTー25の特徴〜
・クラストップレベルのスポーツ性能
・YZF-R25の兄弟車でデザインもスポーティー
・峠のワインディングやサーキットのスポーツ走行に適している
・ライバルに比べて初心者には扱いにくい
〜Z250ABSの特徴〜
・ABSが標準装備
・カウリング、足回り、シャーシなど造りがしっかりしている
・バランスの良さはクラストップレベル
〜Z250SLの特徴〜
・クラス最安値
・単気筒エンジンで燃費が良く、部品代が安いのでランニングコストが安い
・スポーツネイキッドの中でクラス最軽量
・扱いやすく初心者向けのバイクだがデザインはスポーティー
以上の点を踏まえて、気になるバイクは店頭で現車を確認して、惚れ込める1台を探しましょう。

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。
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