レッドバロンの譲渡車検とは?〜現車確認しないで買っても大丈夫?〜
車検と聞くと、250cc超えバイクで2年ごとに必要な車検(継続検査)を思い浮かべてしまいますが、ここで紹介する譲渡車検はレッドバロンが独自に行っている中古バイク販売時の検査です。
より安心してバイクを購入してもらうための取り組みで、通常の車検や法定点検よりも厳しい基準で検査を行っています。
ここでは、レッドバロンの譲渡車検の特徴をまとめました。
レッドバロンの譲渡車検は、中古バイクを安心して購入できるように、販売前に以下の8種検査を行っています。
■譲渡車検の内容
- フレームが安全であること(最新機器によるフレーム歪み検査)
- リコール未実施項目のないこと
- 部品調達が可能であること(メーカー在庫、レッドバロンの中古部品ストック状況)
- 基幹部品に異常のないこと
- スピードメーター検査
- 違法改造箇所のないこと
- 必要書類の揃っていること
- 装着マフラーが適法であること
一般的な販売業者による保証販売であれば、5番のスピードメーター検査、7番の必要書類の揃っているかの確認をしているのは当たり前です。リコール未実施のチェックは小規模業者では行っていませんが、購入後に判明しても無償で対応してもらえます。
大きなメリットになるのは、1番のフレーム歪み検査が付いていることです。基幹部品とフレームに問題がなければ、中古バイクの信頼性は高く、必要なメンテナンスさえすれば長く乗れます。
バイクの車検や法定点検は、フレームの歪みをチェックする項目はありません。フレームの精密な検査は、レッドバロンをはじめ一部の業者でしか行えません。つまり、レッドバロンの譲渡車検付きバイクは、他の販売業者の整備保証付きバイクや、車検取得後の受け渡しによる個人売買よりも信頼性が高いといえます。
譲渡車検を行う車種
通常の車検(継続検査)は、排気量250cc超えバイクに限定していますが、譲渡車検は50ccのスクーター、側車付きバイク、トライクを除く全ての中古バイクに対応しています。
250cc以下のバイクは車検不要なので、長年整備業者の点検を受けずに乗り続けているバイクも多く、再販時の整備も簡易的なことしかしていない場合もあります。レッドバロンの譲渡車検は、50ccのミッションバイクや、原付2種(125ccクラス)も大型バイクと変わらない8種検査を行っています。
他店舗から取り寄せる場合の費用と条件
レッドバロンで購入する際、全国の在庫から取り寄せる場合は、売買契約を行わないといけません。全国の直営店舗の在庫を取り寄せてもらうことはできますが、写真には無い大きな傷があるなど、聞いていた条件と大きな相違点がない限りキャンセルはできません。
配送料はレッドバロン規定の料金が発生します。地域によって異なりますが、相場は以下の通りです。
・県内・・・無料
・近隣の県・・・1万円前後
・500kmほどのエリア・・・2万円
・800kmほどのエリア・・・3万円
ちなみに、東京-大阪間で約500kmほどです。レッドバロンは全国展開をしていて自社の物流ネットワークも持っているため、購入を前提にした取り寄せの配送料は特別料金で対応してくれます。一般的な陸送料よりも大幅に安いですが、配送料を負担すれば自己都合のキャンセルが可能というルールではないので注意しましょう。
譲渡車検のメリットは、実際にバイクを見なくてもフレームやエンジン、ブレーキなどの主要部位に異常の無いことが明確になっていることです。
近隣の店舗で希望に合ったバイクが見つけられれば理想ですが、全国を対象に中古バイクを探した方が、希望条件に合致した中古バイクを見つけやすいです。
レッドバロンは全国最大手の中古バイク販売業者で、新車・中古合わせて全国に56,100台の在庫を持っています。譲渡車検は全国の販売網を活かして、1台の中古バイクに対して、全国から買い手を見つけるために行っている取り組みです。
レッドバロンには店舗に行くと、全国の在庫バイク情報をチェックできるイントラネットがあります。自分でネット検索できない点は不便で、あえて店頭でバイク検索してもらうことを目的にした営業手法です。Goo-Bikeやバイクブロスで全国の中古バイク情報を見れば十分と思うかもしれないですが、ほかの業者では現車を見ないで買うとフレームの歪んでいるリスクがあります。
レッドバロンだから、現車を見ないで買う価値があり、中古バイク検索も店頭のみの強気な対応を取っています。
譲渡車検付きのバイクは本当に見ないで買っても平気?
譲渡車検付きの中古バイクは、走行機関に関しては信頼性が高いです。しかし注意しないといけないのが、外装に関する保証や状態の評価がないことです。レッドバロン・イントラネットのサンプル画像を公式ホームページより確認できますが、写真や外装に関する情報は少ないです。写真は左右の写真2枚のみで大きな傷の有無は確認できますが、艶や小キズの状態まで判断するのは難しいです。
http://www.redbaron.co.jp/buy/intra/index.html
外観の状態にこだわりがあれば、レッドバロンでも現車確認をしない購入はオススメできません。明らかに転倒して破損しているままの状態でなければいい、という方は現車確認なしでも譲渡車検に適合していれば問題ないでしょう。現車確認できる近くの店舗在庫で譲渡車検付きのバイクがあれば信頼できます。
レッドバロンの信頼性と独自検査に力を入れる理由
レッドバロンは一昔前までは悪評の多い中古バイク業者でした。私が初めてバイクを買った15年前も、知人から「レッドバロンは辞めた方がいい」という話を聞いたことがあります。しかし、現在は一部で古い情報を引きずった口コミや、レッドバロンを悪く言う記事やブログもありますが、レッドバロンの中古バイクは業界屈指の信頼性を確保するまでに成長しました。
全国展開の大手にも関わらず、TwitterなどのSNSでレッドバロンに関するクレームやトラブル報告の情報はほとんどなく、フレーム検査や譲渡車検による取り組みが顧客満足度に現れています。昔のレッドバロンは全てが悪かったワケではないですが、一部の店舗やスタッフで悪質な対応もあったことは事実です。
レッドバロンは全て直営店ながら、大型店舗を多数持ち全国に拡大した中古バイク販売の最大手です。スタッフはみんな株式会社レッドバロンに雇用された従業員で、店舗ごとの販売台数や売上の数字で比較を行われています。店長クラスになると、店の成績をあげないと評価や出世に関わるので、バイクを売ろうと必死になった結果、一部で悪質行為をしてしまった事例も出たのでしょう。
悪質行為をする比率は業界全体と同じ水準でも、店舗数と販売台数が多いので、「レッドバロンの中古は悪い」という話が出ることも多くなってしまいます。悪い噂が口コミで広がってしまったこともあって、レッドバロンは業界でも珍しい最新のフレーム検査機器を導入して歪みチェックをしたり、幅広い項目を設けた譲渡車検、長期保証サービスなどを行うようになりました。
現在は、販売する中古バイクはマニュアルに沿って、全て状態の保証が行われています。一度付いてしまったネガティブなイメージは、「社内管理を徹底しました」などと表面的なことをアピールしてもお客や利用者には伝わりません。
そこで、譲渡車検の検査項目など、信頼できる中古バイクを売る取り組み内容を明確にして、レッドバロンの企業イメージを高めることで「レッドバロンで買った中古であれば安心できる」という市場評価の定着を目指しています。
つまり、独自検査に力を入れたキッカケは、一部であった悪質な販売行為による悪評ですが、結果的に現在では中古バイク業界屈指の信頼性を誇る販売業者に成長を遂げました。
おわりに
レッドバロンの譲渡車検は良いサービスですし、フレームに歪みのないことを保証されているのは安心できます。
私は、転倒すると塗装の剥がれやすいフレームの主要な連結部分をチェックしたり、フロントフォークを強く押すなど、簡易的な中古バイクのチェックはできます。それでも100%フレームに歪みがないか見極めることはできないので、最新機器でチェックした結果、歪みなしの判定が出ているのであれば安心できます。
レッドバロン以外の業者やヤフオクなどのネットオークションで、バイクを見ないで買うことはオススメできないですが、レッドバロンの譲渡車検に適合していれば安心できます。素人でちょっとバイクに詳しい人に、店頭販売している中古バイクを見てもらって状態の判断をしてもらうよりも、譲渡車検適合有無を参考にした方がよっぽど信頼できます。
つまり、店舗で現車確認できることを前提に譲渡車検は素晴らしいサービスだと評価できます。ただし、ネックになるのは外装の状態判断をしっかり行っていない点です。
ネットでバイクを販売する際には10枚以上の写真や所要パーツの拡大写真を載せるのが当たり前の時代ですが、レッドバロンでは左右の全体写真しかイントラネットに掲載していないので、私なら高価なバイクを現車確認せずに買おうとは思えません。
バイクは趣味で乗る人も多く、外装の状態を重視するものです。バイクに乗る人の気持ちを考えて、現車確認せずに安心して中古バイクを買えるシステムへ改良してもらいたいです。

この記事を書いたのはライターのブルさん。
ベテランライダー。大型バイクから原二スクーターまで5台のバイクを乗り継いできた経験だけでなく、数々のツーリング経験、サーキット経験などバイクに関する豊富な経験を持つ。自動車業界に勤めていた経験もあり。
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