Moto-GP第4戦スペインGP〜マルケス優勝でランキング首位奪還、2位リンス、中上は9位〜

2019年5月5日にMoto-GP第4戦スペインGP決勝が行われ、マルケスが危なげない走りの快勝で今シーズン2勝目を挙げました。2位は第3戦で最高峰クラス初優勝を遂げたスズキのリンス、3位はヤマハのビニャーレスがドヴィツィオーゾとのバトルを制して今シーズン初の表彰台を獲得しました。ドヴィツィオーゾ4位、ロッシ6位とランキング上位ライダーが順当に結果を残し、中上 貴晶は今季3度目のシングルフィニッシュになる9位入賞を果たしました。

スペインGPを終えてポイントランキングは前走のリタイヤで順位を落としていたマルケスが1位に返り咲き、絶好調のリンスが2位に浮上しました。ドヴィツィオーゾは2戦目以降は優勝争いをできていないものの、安定感を見せてポイントランキング3位に入り、1位のマルケスと3位のドヴィツィオーゾはわずか3pt差です。ロッシはライバルより順位を落とした影響で、マルケスと9pt差の4位にランキングを落としましたが、まだまだ年間チャンピオンの可能性を残しています。


youtubeより

多くのライダーが好タイムを出したフリー走行と予選

スペインGP開催期間中は天候に恵まれて全てドライコンディションでした。初日のフリー走行1回目は、中盤までロレンソがトップタイムを出す展開でしたが、マルケスが終盤で好タイムを出してトップ。2番手以降はロレンソ、ビニャーレス、中上と続きます。中上は途中までロレンソに0.135秒差へ迫るタイムでトップ争いに加わり、最終的には0.2秒差の4位でした。

フリー走行2回目は路面温度が25度まで上昇し、多くのライダーがハードタイヤを選択する中でマルケスは唯一リアにソフトタイヤを選択します。マルケスは序盤にトップタイムを出して、後半にはハードタイヤに履き替えてさらにタイムを伸ばします。ほぼ全選手がリアにハードタイヤを選択した中で、ドゥカティのペトルッチが好タイムを出してトップに躍り出ます。残り3分を切った所で下位ライダーが接触による転倒で赤旗中断。再開後には時間が限られていた影響もあり、初日のフリー走行はペトルッチが総合トップになります。中上はオフのテスト走行でトップタイムを出した得意サーキットのヘレスで輝いて、0.225秒差の8位で初日を終えます。

2日目のフリー走行3回目は、クラッチローが激しく転倒し、フェンスの修復が必要になったため8分の赤旗中断が行われ、終盤に各ライダーが予選Q2ダイレクト進出をかけたアタックをします。中上を含めて多くのライダーがトップタイムを更新する展開の中、最終的には初日トップだったペトルッチがラップレコードを出して1位を獲得します。2位以降はクアルタラロ、ドヴィツィオーゾ、ミルと続き、中上もフリー走行では最高順位の7位でQ2ダイレクト進出を決めます。なお予選前に行われたフリー走行4回目では、ドヴィツィオーゾが転倒して担架で運ばれる展開。結果的にドヴィツィオーゾは復帰するも右足首を痛めてしまいます。

予選Q1ではQ2ダイレクト進出を逃したビニャーレスとロッシのヤマハ勢が序盤で好タイムを出すも、プラマックのバニャイヤが終盤でロッシのタイムを抜いて2位に入ります。ロッシは予選Q2進出を逃し13番グリッドが確定します。予選Q2では序盤にマルケスがトップタイムを出しますが、終盤でクアルタラロがフリー走行でペトルッチが出したラップレコードを更新する好タイムでトップに立ちます。同じくヤマハのサテライトチームのモルビデリが2番手に入る好タイムを出し、ペトロナス・ヤマハSRTがポールポジションと2番手グリッドを確保する波乱の予選になりました。

20歳14日でポールポジションを獲得したクアルタラロは、マルケスが持っていた20歳62日の記録を抜いて、Moto-GPクラスポールポジション獲得の最年少記録を更新します。3番手以降はマルケス、ドヴィツィオーゾ、ビニャーレスのワークスライダーが並び、中上は8番グリッドを確保します。なおフリー走行で好タイムを出していたペトルッチとロレンソは転倒によって予選の順位を伸ばせませんでした。リンスは中上に続く9番手から本戦での巻き返しを狙います。

多数のバトルが繰り広げられた決勝はマルケスが快勝

ペトロナス・ヤマハSRT勢が予選1・2番手を獲得したことで注目を集めますが、決勝では3番手スタートのマルケスがホールショットを決めます。クアルタラロとモルヒデリも中盤まで離されずにマルケスに付いていく好走を見せます。中上はスタートで1つ順位を上げますが、その後は13番手スタートのロッシにもあっさりかわされるなど、10位まで順位を落とします。タイヤコンディションが良いフラットな条件になると、中上はトップライダーより一歩劣る印象です。

中団グループではリンスがトップタイムを出す猛追でドヴィツィオーゾに追いつき、バトルを繰り広げます。先頭グループはマルケス、モルヒデリ、クアルタラロ、ビニャーレスと続いていましたが、5周目でクアルタラロがコーナーを大きく膨らんでしまい差をつけられてしまいます。後ろからはドヴィツィオーゾとのバトルを制したリンスが全体トップタイムで猛追して差をつめてきます。

10周目にはモルヒデリ、クアルタラロ、ビニャーレスのヤマハ勢が接近戦を繰り広げてマルケスとのギャップが1秒ほどに広がると、勝負所と踏んだマルケスをペースを上げます。その後はマルケスが差を広げていくと2番手グループにリンスが追いつきます。13周目には3番手を走っていたクアルタラロが突然の失速でピットインして、そのままマシントラブルによってリタイヤします。15周目に入るとビニャーレスがモルヒデリをパスして2番手に浮上。さらに3番手グループから追い上げていたドヴィツィオーゾとペトルッチのドゥカティ勢もモルヒデリをパスします。4台になった2番手グループではリンスが2位のポジションを奪取するも、マルケスはファステストを出してリンスとの差を3.7秒まで広げて独走態勢に入ります。

終盤に入ると、中団以降でロッシが6番手まで順位をあげ、中上もミラーをかわして9番手ポジションまで順位を上げるなど順位がめまぐるしく動きます。結果的に最後は差を詰められるも、マルケスは最終ラップで後ろを振り返る余裕を見せて快勝。セーフティーリードを守りつつ、勝負所を見極めて終盤にペースを落とすなど、前走の転倒リタイヤの反省を活かしたレースに見えました。

リンスは2番手グループから一歩抜け出して2位表彰台を獲得します。3位争いはビニャーレスとドヴィツィオーゾが終盤にテールトゥノーズの接近戦を見せますが、最終的にはビニャーレスが3位のポジションを死守します。ロッシは後方から猛烈な追い上げで6位。中上は9位のシングルフィニッシュを遂げるなど、波乱の要素が強かった予選とは対照的に有力ライダーが順当に上位へ入った結果になりました。

第4戦スペインGP 決勝リザルト

1位:M.マルケス (レプソル・ホンダ・チーム)
2位:A.リンス (チーム・スズキ・エクスター)
3位:M.ビニャーレス (モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)
4位:A.ドヴィツィオーゾ (ミッション・ウィノウ・ドゥカティ)
5位:D.ペトルッチ (ミッション・ウィノウ・ドゥカティ)
6位:V.ロッシ (モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)
7位:F.モルビデリ (ペトロナス・ヤマハSRT)
8位:C.クラッチロー (LCRホンダ・カストロール)
9位:中上貴晶 (LCRホンダ・イデミツ)
10位: Stefan Bradl (ホンダ・ワイルドカード)
11位:A.エスパルガロ (アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)
12位:J.ロレンソ (レプソル・ホンダ・チーム)
13位:P.エスパルガロ (レッドブルKTMファクトリー・レーシング)
14位:J.ザルコ (レッドブルKTMファクトリー・レーシング)
15位:T.ラバット (レアーレ・アビンティア・レーシング※ドゥカティ)
16位:K.アブラハム (レアーレ・アビンティア・レーシング※ドゥカティ)
17位:B.スミス (アプリリア・ワイルドカード)
18位:M.オリベイラ (レッドブルKTMテック3)
19位:H.シャーリン (レッドブルKTMテック3)

6Lapリタイヤ F.バニャイア (アルマ・プラマック・レーシング※ドゥカティ)
13Lapリタイヤ F.クラルタラロ (ペトロナス・ヤマハSRT)
20Lapリタイヤ J.ミル (チーム・スズキ・エクスター)
22Lapリタイヤ J.ミラー (アルマ・プラマック・レーシング※ドゥカティ)

第4戦終了時点のライダーポイントランキング

1位:M.マルケス    70pt
2位:A.リンス    69pt
3位:A.ドヴィツィオーゾ 67pt
4位:V.ロッシ    61pt
5位:D.ペトルッチ  41pt
6位:M.ビニャーレス 30pt
7位:J.ミラー    29pt
8位:中上貴晶    29pt
9位:C.クラッチロー 27pt
10位:F.モルビデリ  25pt
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  ・ 
14位:J.ロレンソ   11pt
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Moto-2・Moto-3日本人情報

〜Moto-2〜
長島哲太(ONEXOX TKKR SAG Team)が自己最高位の7位フィニッシュ

〜Moto-3〜
鈴木竜生 2位表彰台
鳥羽海渡 6位
小椋藍  9位
真崎一輝 13位
佐々木歩夢 15位

Moto-2では長島哲太の7位フィニッシュを遂げ、Moto-2参戦4年目でも着実な進化を続けています。
Moto-3では前走でトップ走行中に転倒した鈴木竜生が2位表彰台を獲得します。最終ラップに入る時は4位だったものの、終盤で2つ順位を上げた2位は勝負強さが光るレース内容でした。日本人ライダーは3名がMoto-3でシングルフィニッシュを果たしています。

今シーズンは日本人ライダーが見せ場を作るレースが多く、Moto-2・Moto-3からも目が離せません。

第4戦を終えて

第4戦も終わってみればマルケスの強さが光ったレースでした。ポイント差とレース内容を考慮すれば、優勝争いはランキング上位6名に絞り込まれています。ポイント差は僅差ですが、他のライダーがマルケスと勝負の果てに勝つレースを作っていかないと、マルケスがポイントランキングでも独走態勢を築いていくでしょう。

ドヴィツィオーゾやリンスがもっと上位グリッドを獲得できるようになれば、マルケスを含めた熾烈なトップ争いが繰り広げられるレースが増えていくでしょう。中上やMoto-3で活躍する5名の日本人は好調を維持しているので、見所の多い展開が第5戦以降も続きそうです。

〜今後の開催予定〜

・第5戦フランスGP
決勝日時:5月19日21時過ぎ

・第6戦イタリアGP
決勝日時:6月2日21時過ぎ

※決勝の概算時刻は日本時間

生中継は日テレジータス(CS)、Huluなど

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