「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」でEV車普及なるか?

「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」は、番組制作予算が安いにも関わらず高視聴率を取っていることで、度々ネットニュースにも紹介されています。

電動バイクでゆったり旅をするバラエティ番組ですが、電動バイクの不自由な面が強調されていて、電動バイク(EV)バイクの普及に影響を与えないか心配になったりもしています。

http://www.tv-tokyo.co.jp/degawacharging

「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」とは?

「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」は、テレビ東京で「毎週土曜日19:54 – 20:54」に放送されているバラエティ番組です。出川哲朗とディレクターやゲストが、電動バイクを使って、日本全国縦断!47都道府県全制覇を目指して旅をする番組です。

電動バイクを充電させてもらいながら、そのエリアの観光スポットや美味しい料理のお店を回る、シンプルな企画にも関わらず高視聴率を連発しています。同じ時間帯ではフジテレビ系列の「めちゃ×2イケてる」がライバルでしたが、番組制作費はめちゃイケの10分の1程度と言われる同番組が、コンスタントにめちゃイケを上回る視聴率を出しています。

めちゃイケは2018年3月で放送終了になりますが、長寿番組を終了に追い込んだ要因のひとつは、裏番組にもあたる「出川哲朗の充電っせてもらえませんか?」に大敗したこともあるのでは、と言われています。

私も土曜の20時にテレビを見るときは、出川哲朗の充電させてもらえませんか?をよく見ます。出川哲朗のキャラクターが生かされていて、やっていることは単純でも見ていて面白くて、私もファンの1人です。

番組の醍醐味は、すぐにバイクの充電が切れてしまうこと

使用しているバイクはヤマハのE-Vinoです。第1弾・第2弾まではヤマハのEC-03を使用していましたが、第3弾およびレギュラー放送以降はE-Vinoを使用しています。また、トレードマークはスイカ柄のヘルメットで、2017年11月18日放送回から出川用バイクのシートカバーをスイカ柄になりました。これはヤマハが特注で作ったものです。

電動バイクはバッテリーを取り外して家庭用コンセントで充電可能のため、充電が切れたら近くのお店や一般家庭にコンセントを拝借するようにお願いして、充電するまでの間、お手伝いやファンサービスで交流するのが旅の醍醐味です。

航続距離は一度の充電でおよそ20キロで、番組内では走行中に充電切れして、押して歩くシーンも頻繁にあります。ちなみにE-Vinoのカタログスペックでは、1回の充電時間は3時間で満充電時の走行可能距離は29kmです。

カタログ燃費よりも実際の走行可能距離は下がってしまうことがよくあり、20kmごとの充電は実燃費を考慮した内容です。

20km進んでは充電先を探して、そこで交流や観光を楽しむことで、日本国内の旅番組というありきたりな企画を斬新なスタイルに変身させました。もし、今後電動バイクの性能が進化して、1回の充電で100km以上走るバイクが登場したら番組は成り立たないでしょう。

番組を見ている分には、旅先で出会う地域の人々の暖かさを感じる場面も多くて面白いですが、番組を見て電動バイクを買おうと思う人は少ないかもしれません。1日の走行距離20km以下で、近所の買い物中心の使い方であれば問題ないですが、出川哲朗の真似をして電動バイクで旅に出ようと思う人はいないハズです。

出川哲朗という知名度抜群の有名人だから成り立つ企画で、一般人が旅先でコンセントを2〜3時間貸してくれるところを探すのは困難です。

電動バイクの航続距離

1回の充電あたりに走れる走行距離が20kmと聞いて、想像以上に短く感じた人も多いでしょう。これはE-Vinoの性能(バッテリー容量)が低いワケではなく、日本の原付バイク(50cc相当)の電動バイクはどれも20km〜30km程度しか走れません。50ccクラスだとバッテリーを積載できるスペースやコストが限られているためです。

法律では出力(パワー)の規制はありますが、バッテリー容量の規制はありません。電動バイクはコンパクトで軽量のリチウムバッテリーが主流ですが、バッテリー積載スペースや、脱着して充電する利便性を考慮すると、大きなバッテリーや複数のバッテリーを積むことは難しいです。

今後、リチウムバッテリーの性能が向上すれば、電動バイクの航続距離は長くなっていきます。ちなみに、国産メーカーではヤマハのほかに、スズキのE-Let’sがありますが、カタログ上の航続距離で30kmなので、E-Vino(29km)とほぼ同等スペックです。

2018年発売予定のPCX EVはスペック非公開ではありますが、カタログスペックで航続距離100km前後を予想されています。PCXは原付2種なので、「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」で採用されることはないでしょうが、EVバイクはこの先1〜2年で大きな発展を遂げる可能性があります。

ちなみに出川哲朗はプライベートでバイクに乗っている情報はなく、自動二輪免許も持っていない可能性が高いです。普通自動車免許あれば乗れる50ccの原付スクーターにすることで、多彩なゲストを呼べるのもいいところでしょう。バイクを使った旅番組なのに、バイク好きの人にこだわらないキャスティングも人気番組になった要因です。

おわりに

「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」は、電動バイクの認知度を高めて、ヤマハもバイクの提供や特注シートを作るなど協力的です。しかし、電動バイクの不便な面や現時点で航続距離の短さも露呈しています。

テレビの企画的には、1回の充電で20kmくらいしか走れないことがポイントになっているので、今後性能が向上しても現在使っているE-Vinoを使い続けることになるでしょうが、希望としては、50ccクラスの電動スクーターでも100km以上走れる新型が登場して、特番で北海道1周などをやってほしいです。

きっと、それまで20kmしか走れずに市街地でチマチマ旅をしていたところに、航続距離の長い電動バイクに切り替えて北海道など広大な場所を走るようになれば、電動バイクの普及に大きく貢献するでしょう。

将来、電動バイクの性能が進化したときにPRできる場所を残す意味でも、「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」には高視聴率を維持する長寿番組になってもらいたいものです。

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