賛否両論巻き起こるKawasaki Z900RSの特徴・スペック情報まとめ

カワサキから2017年12月1日に発売されるZ900RSは市場から大きな注目を集めています。
2017年10月27日から開催された東京モーターショー2017においても、バイクブースの中でZ900RSの周辺は賑わいを見せていました。

中古バイク市場でも人気が高いカワサキの旧車をイメージして、最新のスポーツバイクの性能を融合させた懐かしいデザインでありながら、新しいカテゴリーの注目モデルです。ベース車両があり、新しいシャーシやエンジンを搭載しているわけではなく、デザイン性のみで大きな注目を集めるケースは非常に珍しいです

新発売されるZ900RSは何が凄いのか、特徴、スペック、魅力についてまとめました。

Z900RSの特徴

Z900RSはカワサキのストリートファイター「Z900」をベースに、往年の名車のZシリーズのデザインを融合させています。Zシリーズは、1972年発売の初代Z1から始まった、45年の歴史を誇るカワサキの看板車種です。

Z900RSはZ1のスピリッツを継承しつつ、デザインは中古市場でも高い人気を誇る「Z2」に似せています。細く丸みを帯びたタンクとシートカウルが魅力的で、ベース車両の「Z900」のフレームを元に、Z2テイストのスタイリングを実現するためにヘッドパイプやシートパイプの角度を変更しています。

サスペンションは最新のモノサスの採用になり、完璧に往年の名車を再現はできていませんが、最新テクノロジーとの融合で高い走行性能を確保しています。旧車と呼ばれる70年代、80年代のZシリーズは、走行性能はそれほど高くないですが、新型Z900RSは峠やサーキットでスポーツバイクと互角の勝負もできるハイスペックマシンです

旧車人気に便乗した新型バイク

カワサキのZシリーズは中古バイク市場で人気が高くプレミア価格で流通されています。程度が良いものは、新車の数倍の価格で取引される事例もあります。
年式の古い旧車は状態によって価格も変わりますが、2017年11月4日現在にGooBikeに登録されている中古バイク販売価格の一例を紹介します。

・1975年式Z2 → 453万円
・1979年式Z2RS → 398万円
・1973年式Z1 → 200万円
・1980年式Z1000Mk2 → 250万円
・1999年式ZEPHYR1100 → 109万円
・1980年式Z400FX → 259万円

Zシリーズ人気の要因は、スタイリングとエンジンフィーリングです。一部では暴走族仕様など過激なカスタムをしている方もいますが、当時の状態をキープしたノーマル状態の方が買取査定で高く評価されることもあります。

新型Z900RSにはアンチもいる

70年代後半以降に作られた往年のZシリーズは以下の特徴があります。

・空冷エンジン
・リア2本サス
・時代を感じさせるデザイン
・レスポンスよりフィーリングを重視したエンジン

新しいZ900RSは外観こそは似せているものの、中身は「水冷エンジン」に「モノサス」など最新バイクと同じです。また、エンジンのレスポンスが良く、旧車みたいな味のあるサウンドではありません。

そのため、既存の旧車オーナーや旧車ファンを筆頭に、新型Z900RSを否定する意見もあります。外観やカワサキブランドは否定しないけど、購入費用や維持する手間を惜しんででも旧車を乗りたいという声も多数あります。

モノサスや流行を取り入れたリアフェンダー、スポーツバイクのようなレスポンスの良いエンジンサウンドを聞いて、「こんなのZではない」と強く否定される方もいます。

このようにアンチもいる一方で、歓迎する声も多いです。70年代〜80年代の当時を知るベテランライダーや、旧車に興味はあったけど、維持する手間で購入に踏み切れなかった方をはじめ、当時のZシリーズをほとんど知らない若者からも評価が高いです。

LEDを組み合わせたライトまわりも、「無理やりZスタイルにはめ込んだ」という悪い意見と、「カスタムバイクっぽくてカッコイイ」など賛否両論があがっています。

東京モーターショーでの反応

Z900RSは、モーターショー1ヶ月前から画像を公開するなど、注目を集めていました。バイクファンからは事前の認知度が高かったせいか、展示会場で大きなリアクションをする方は少なかったです。

それでも実際に触われない壇上展示にも関わらず、常に人だかりができていました。通常モデルだけではなくカスタム車両を多数展示していたことも集客効果を高めていたと思います。

私の感想

賛否両論出るのは分かりますが、現物を見て素直にカッコイイと思いました。旧車にも興味を持っている私としては、通常のZ900よりZ900RSの方がカッコイイと感じました。
このバイクでサーキットや峠でフルカウルのスポーツバイクをチギったらカッコイイのだろうなと、走っている姿を想像してしまいます。

カスタム車両も多数展示されていましたが、私が気に入ったのは太いグリーンのラインが入ったこのバイクです。4本出しマフラーやカラーリングのカスタムが目立ちますが、私が評価したのは旧車っぽさを出したウインカーとリアフェンダーです。

カスタムをして、より自分の理想のするスタイルに近づけていくのも、Z900RSの醍醐味になりそうです。ただ、車両価格もそれなりに高額なので、カスタム費用を考慮すると相応の予算が必要です。

カスタム車両に興味があるけど予算をかけられない場合は、数年待ってカスタム済の中古が出回るのを待つのも、ひとつの手かもしれません。既存のストリートファイター系をオールドスタイルに換装する上で難しいのは、フレームの修正です。

カワサキはZ800RS向けのフレームを市販車ベースに造り上げたので、大ヒットすれば、今度は角Z仕様など、他の名車をモチーフにした新型車種を出していきそうな気もします。

Z900RSのスペック

車種名 Z900RS
メーカー KAWASAKI (カワサキ)
排気量 948cc
発売時期 2017年12月1日
エンジン形式 水冷4ストローク並列4気筒/DOHC4バルブ
燃費 国土交通省届出値28.5km
トランスミッション形式 常噛6段リターン
クラッチ形式 湿式多板
燃料供給方式 フューエルインジェクション
フレーム形式 ダイヤモンド
車両重量 215kg
乗車定員 2名
最高出力 82kW(111PS)/8,500rpm
最大トルク 98Nm(10.0kgm)/6,500rpm
新車価格 1,296,000円(ブラック)/1,328,400円(火の玉カラー)
中古車相場

カワサキ Z900RSの評価

Z900RSは、ベース車両のZ900とスペックに大きな違いはありません。エンジンは同じものを使用し、Z900RSの方が若干マイルドな設定になっています。フレームはZ900と異なるスタイリングのバイクにするため、パイプ角度の変更はされていますが基本構造はZ900と同一です。

つまり、走行性能はストリートファイターのZ900に非常に近く、ZRX1200DAEGやCB1300SFに比べると軽くてパワフルです。スペックや性能面では、目立った内容はありません。
オーソドックスな2連メーターの中央に液晶メーターを埋め込むなど、デザインと実用性を兼ね備えるように、細かい造り込みをしている点を高く評価できます。

現在、Z900の国内販売はありませんが、兄貴分のZ1000は車両価格約115万円なので、デザインにかけた費用が車両価格に反映されて、130万円前後の価格設定に割高感を感じます。

将来的なリセールバリューは、旧車のようなプレミア価格では流通しませんが、新車価格も高額なので中古市場で高い需要を見込めます。ベース車両のZ900より高い買取相場を期待できます。
現在、ZRX1200DAEGを筆頭に大型ネイキッドバイクはリセールバリューが非常に高いですが、もしかしたらZ900RSはさらに高いリセールバリューを確保して国産バイクの中でも再販価値が一番大きい車種になるかもしれません。

おわりに

Z900RSは2017年12月1日に発売予定ですが、当初はコアなZファンやカワサキファンによって、販売台数が伸びると予想しています。お手軽感はないので、大型バイクの販売台数ランキングで上位に入れるかは不明ですが、2018年はバイク市場の中でもトップクラスの注目を集めることになるでしょう。

カワサキは旧車の価値が非常に高く、他社メーカーが真似して往年の名車の復刻版を出したとしてもZ900RSには敵いません。おそらく、この先もカワサキならではのプレミアムモデルとして長く君臨すると予想します

また、新型バイクでここまで発売前からカスタム需要を期待できる車種は珍しいです。発売して1〜2年もすれば、すぐにユーザーカスタムの特集をバイク雑誌で組まれたり、カスタムショップが展示車両として製作を進めていくと思います。一体、どんなカスタムスタイルがユーザーの手から生み出されるのか今から楽しみです。

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