見た目は超スポーティー、走りはマイルドなGSX250Rの魅力

2017年1月にスズキからGSX250Rが発売されました。
すでに250ccクラスのスポーツバイクは、ホンダCBR250R(RRは5月に発売)、ヤマハYZF-R25、カワサキNinja250が発売されていて、今一番注目されているカテゴリーです。

GSX250Rの登場で国内4大メーカーが出揃ったことになり、後発のスズキはどんなマシンを用意するのか注目が集まりましたが、SOHC並列2気筒エンジンで24馬力と、物足りないスペックだったとも言えます。

各社の250ccスポーツバイク 最高出力
CBR250RR 38PS/12,500rpm
YZF-R25 36PS/12,000rpm
Ninja250 31PS/11,000rpm
CBR250R 29PS/9,000rpm
GSX250R 24PS/8,000rpm

表のように、ライバルに比べて大きくパワーが劣っていて、単気筒のCBR250Rにも負けています。
スズキのGSX-Rシリーズは600cc、750cc、1000ccとハイパワーを売りにしたスポーツバイクだったため、スペックを見て期待はずれだと感じた人も多いでしょう。

しかし、スズキはあえてパワーを落として、街乗りでの乗りやすさや実用域でのパワーを重視した仕様にしています

見た目にこだわった迫力あるデザインで街乗りニーズを拾う

スペック負けした外観と表現すればネガティブな印象になりますが、250ccスポーツバイクでは盲点を突いた発想です。
そもそも250ccのスポーツバイクを購入する方は、サーキットや峠でバリバリコーナーを攻めるというよりも、街乗り、通勤、ゆったりツーリングの需要が高いです。速く走ることに興味はなくても、スタイリングはスポーティーな方が良いということで、幅広いユーザーから250ccスポーツバイクが選ばれています。

GSX250Rは開発者が「一目見てメチャクチャ、かっこいいと思ってもらえるバイクを作りたい」と語っています。GSX-Rシリーズの遺伝子を強く受け継いだ迫力のあるデザインで、見た目はライバルよりもパワーが低いバイクには見えません。

あえてスペック負けするエンジンと外観を組み合わせることで、スポーティーなバイクを手軽に乗りこなしたいニーズを狙っています。
また、GSX250Rの開発者いわく、「8,000rpmの回転域での実用出力はライバルよりも高い」らしく、サーキットで全力走行でもしない限り非力感は感じません。トルク重視のセッティングでピークパワーが低い回転数で出るので、街乗りやタイトなコーナーもストレスなく乗りこなせます

選ぶ決め手は低価格

GSX250Rの売りはスタイリングです。スズキの個性が出たデザインで、GSX-R1000を彷彿とさせるフロントカウルやテールランプなどが目をひきます。しかし、当然ライバルも250ccスポーツバイクのスタイリングにはこだわりをもっています。

外観は好みの要素になりますが、私は見た目だけで判断した場合でも、フルLEDを採用したCBR250RRや、R1のデザインを受け継いだYZF-R25に魅力を感じています。GSX250Rが一番かっこいいと思って購入される方も多いと思いますが、世間の評価ではGSX250Rがライバルを圧倒するスタイリングを持っている、とまでは言い切れないでしょう。

そこで決め手になるのが、ハイスペックや無駄な装備を採用しなかった恩恵による低価格です税抜きで50万円を切る価格設定は、単気筒のCBR250Rよりは2万円ほど高いものの、2気筒のライバルよりも10万円以上安くなっています。

私は先日、お台場で開催されたホンダDream店主催の大規模試乗会に参加して、当時発売前だったCBR250RRに試乗してきました。今年最注目の新型バイクだけあって、多くの方がCBR250RRの試乗コーナーに集まっていましたが、ほかの参加者は口を揃えて「良いバイクだけど、250ccで80万円近い金額じゃ買えない」と言ってました。

会場では開発者と出版社によるトークショーが行われていて、インタビュアーの雑誌編集長の方が「私もCBR250RRを買って、今年のもて耐(大規模なバイクレース)に出ます」と言ってました。
たしかに、本格的なレースやスポーツ走行をするなら、高額でも性能が優れているバイクを購入する価値はあると思います。しかし、スポーティーな外観のバイクで街乗りやゆったりツーリングに行きたい方は、走行性能は低くてもいいので、手頃な価格設定にしてほしいと思っている方も多いでしょう

当記事を作成したのは2017年7月で、GSX250R発売から半年が経過しました。現時点での売れ行きは今ひとつで、結果的にはハイスペックにこだわったCBR250RRに注目が集まり、販売台数でも大差をつけられています。
しかし、これもスズキの想定内で、「スポーティーな外観]、「扱いやすさ」、「低価格」の3点を重視したユーザーを囲い込むことができて、大ヒットはしないけど息の長いロングセラー車種に成長する要素を持っています

GSX250Rのスペック

車種名 GSX250R
排気量 248cc
新車価格 527,740円
発売時期 2017年7月
エンジン形式 水冷4サイクル/SOHC2気筒
燃費 国土交通省届出値41.0 km/L (60 km/h) 2名乗車時
トランスミッション形式 6段リターン
クラッチ形式 湿式多板
燃料供給方式 フューエルインジェクション
フレーム形式 セミダブルクレードル
乾燥重量 178kg
乗車定員 2名
最高出力 18kW(24 PS)/8,000rpm
最大トルク 22N・m(2.2kgf・m)/6,500rpm

まとめ

GSX250RのコンセプトはホンダのCBR250Rに似ています。ライバルのCBR250Rとの大きな違いは単気筒か2気筒かです。GSX250Rは製造コストの高い2気筒エンジンを、CBR250Rと同等の価格帯で出した点は評価できます。ただし、CBR250Rの単気筒エンジンと性能を比べると燃費や最高出力では劣っています。

CBR250RとGSX250Rを比較する場合は、気筒数の違いによるエンジンサウンドや走行フィーリングを比べるとよいでしょう。4サイクルの250ccクラスでは、単気筒、2気筒の違いを言葉で表すことは難しいですが、GSX250Rの方がレスポンスが高く感じて、思い通りに扱える感覚があり振動も少ないです

既に発売されて6年以上経過したCBR250Rは、街中でもよく見かける定番バイクでもあり、上位車種のCBR250RRが登場したことでブランド力が低下しています。今から新車を買うのであれば、新型車で街中で注目を集めやすいGSX250Rを選んだ方が、所有する喜びが大きくなると思います。

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