排気量別バイクの譲渡方法

バイクを譲渡する時は、受け渡し方法と名義変更をどのようにやるか決めないといけません。
バイクの譲渡は原付バイクと125cc超えのバイクで方法や注意点が異なります。

125cc超えのバイクは新所有者の管轄の陸運局で名義変更を行います。
また、250cc超えの場合、車検が絡んでくるので特に注意が必要です。

ここでは、それぞれについて解説します。

原付バイクの譲渡と名義変更


原付バイクを譲渡する時は、名義変更方法が車や125cc超えのバイクとは違います。
車や125cc超えバイクの名義変更は、新所有者の管轄の陸運局で名義変更ができます。

原付バイクは、まず名義変更を行う場所が陸運局ではなく市区町村の役場になります。
また、各市区町村の役場は、管轄地域の業務しか行っていません。

原付バイクの名義変更をする時は次の流れになります。

  1. 旧所有者の市区町村の役場にいって、ナンバーの返納と廃車手続きをする

  2. 廃車証明書を持って、新所有者の市区町村の役場で登録手続きをする


旧所有者と新所有者が同じ市区町村にお住まいの場合は、同じ窓口で名義変更手続きを行う事ができます。
原付バイクを譲渡するにあたって、所有者の住所の市区町村が変わる場合は、2つの役所の窓口をまわって廃車と登録の手続きをする必要があります。

原付バイクを譲渡する方法


原付バイクを譲渡には次の方法があります。

・廃車手続きをした状態でバイクを渡して、車に積載して車体を引き取ってもらう
・先に廃車手続きを行い、廃車証明書など名義変更の必要書類だけ先に渡す。新所有者が登録とナンバーの発行をしてから車体の引渡しを行う
・名義変更をせずに車体の受け渡しを先に行い、後日名義変更を行う

原付を譲渡する旧所有者の立場では、バイクを廃車にした状態で譲渡すれば、後に名義変更を巡るトラブルリスクがなく安心です。

原付バイクを車に積載できる環境があれば、譲渡するときは廃車済みの状態で車に運ぶようにすると安心です。
車に積載する環境が無い場合は、先に廃車手続きを行い、登録に必要な廃車証明書(廃車時に役所で発行されます)を郵送等で新所有者に渡して、名義変更を済ませてからバイクを渡すと安心です。

また、原付の登録書類(標識交付証明書)とナンバー、委任状を譲渡する相手に渡して、廃車手続きを行ってもらう方法もあります。

名義変更に必要な書類を渡す場合は、事前に売却代金など金銭の受領を済ませておくようにしましょう。
名義変更をせずに車体の受け渡しを先に行う場合は、なるべく名義変更に関する覚書など書面を交わすか、名義変更が完了するまで3万円程度の預かり金を受け取る取引ルールにするとトラブルリスクを緩和できます。

直接の友人・知人でも名義変更せずに乗り続けてしまうトラブル事例が多いので、旧所有者(譲渡者)の名義のままで受け渡しをする時は、必ず何かしらの対策を講じておきましょう。

名義変更を後日行う場合は、期限や購入者と売却者のどちらが手続きを行うかなど、詳しい取引ルールを事前に決めておきましょう。新所有者が名義変更のために、旧所有者の役所でも手続きをする事を知らないケースもあります。
名義変更の流れの説明も必ず行っておくようにしましょう。

125cc超えバイクの譲渡方法


125cc超えのバイクを譲渡する時は次の3つの方法があります。

・旧所有者の名義のままバイクを受け渡しして後日名義変更を行う
・譲渡するバイクを抹消登録(ナンバーの返納)をしてから受け渡しを行う
・先に名義変更に必要な書類とナンバープレートを渡して名義変更が完了してからバイクの受け渡しを行う

譲渡したバイクが受け渡し後に名義変更されないトラブルを回避するためにも、抹消渡しや名義変更してからバイクの受け渡しをすると安心です。

名義変更されずにバイクに乗り続けられると、事故や違反、軽自動車税の納税義務の問題などのトラブルに発展する場合があります。ただし、バイクを抹消した状態で受け渡しを行う場合は、公道を自走できなくなるので車に積載するか、市役所などで仮ナンバーを発行する手間がかかります。

125cc超えのバイクは、車体が大きく車の積載には大きな車が必要になる事や、車検が絡む事から名義変更せずに受け渡しをするケースが多いです。

125cc超えバイクの名義変更



125cc超えバイクの名義変更は、新所有者の管轄の陸運局で行います。
名義変更に必要な書類は次の通りです。

・登録書類(250cc以下は軽自動車届出済証、250cc超えは車検証)
・自賠責保険
・軽自動車税納税証明書
・委任状、譲渡証(売却者の捺印は認印でOK)
・新所有者の住民票(発行から3ヶ月以内)
・所有権留保解除書類(譲渡するバイクをローン購入していて、なおかつ登録書類の所有者が信販会社や販売会社になっている場合)

250ccクラスのバイクと250cc超えで車検が残っているバイクは、必要書類とナンバープレートを持っていけばバイクの車体持込なしで名義変更できます。

車検が切れている250cc超えのバイクは、名義変更時に整備したバイクの車体を陸運局に持ち込んで、名義変更と同時に車検を取り直す必要があります。

125cc超えバイクを譲渡する時の注意点


125cc超えのバイクを譲渡する時は以下の注意点があります。

・250cc超えは車検がある
・ローン購入したバイクは、所有権留保になっている事が多い
・譲渡後に不具合が発覚するとトラブルに発展しやすい

バイクの譲渡でよくあるトラブル事例と合わせて、それぞれ詳しく紹介します。

250cc超えバイクの譲渡


250cc超えバイクは車検が必要です。車検が残っているバイクは、一時抹消すると車検の残存期間がなくなってしまうので、抹消せずに名義変更する必要があります。注意点が多いのは車検が切れた状態のバイクです。

車検切れバイクの譲渡は以下の注意点があります。

・ナンバーが付いていても公道を自走できない
・車検が取れない不具合があるとクレームに発展する

車検切れのバイクでも、ナンバーが付いていると、そのまま自走して受け渡しや陸運局への持込をしてしまう人がいます。
万が一車検切れで警察に捕まると、道路交通法違反で免許の違反点数が6点加算で一発免停。

さらに自賠責保険も切れている場合は、さらに違反点数6点が加算されて、合計12点で一発免許取消になる場合があります。
バイクを譲渡した事で購入者の免許に傷が付いて人生を狂わせてしまう場合もあります。

必ず車検切れのバイクは公道を走行せずに受け渡しや陸運局への持込をするように指示しましょう。(仮ナンバー取得時は公道走行可能です)

バイクを無料や格安の好条件で譲渡しても、車検が取れない不具合があると、新所有者からクレームが来る場合があります。
車検切れのバイクを譲渡する時は、車検に必要な修理や消耗品交換の箇所を把握して事前に伝えておく必要があります。
車検費用が高額になると、譲渡をキャンセルしてバイクを返されるケースもあります。

所有権留保が付いているバイクの譲渡


譲渡するバイクをローン購入している時は、登録書類の所有者が信販会社や販売会社になっていないか確認しておきましょう。
所有者が本人ではなく信販会社や販売店の名義にする事を「所有権留保」といいます。

所有権留保をローン購入したバイクを、ローン完済前に勝手に売却させない処置で、所有権留保があるバイクの名義変更には所有権留保解除書類が必要です。

ローン購入したバイクに所有権留保を付けるかは、ローン会社の判断になります。原付バイクであれば所有権留保なしでローン購入を認める事が多いですが、125cc超えのバイクは所有権留保が付くケースが多いです。

すでにローンを完済している場合は、所有権留保が付いている信販会社や販売店に連絡すれば、すぐに所有権留保解除および名義変更に必要な書類を発行してくれます。

ローンが残っているバイクは先に一括返済して所有権留保解除書類をそろえないと譲渡や名義変更する事ができません。

廃車など、バイクを処分する場合はローンを残して抹消登録することを認められる場合があります。友人や知人への譲渡や個人売買による売却など第三者への名義変更は、ローンが残っているバイクは一切認められません。

125cc超えバイクは譲渡後にクレームになる事が多い


125cc超えのバイクは、不具合があると部品代や工賃が高額になりやすいです。また、個人売買で売る時は、売却価格が高額になる事が多いです。

原付バイクを無料もしくは格安で譲渡した場合は、不具合があっても譲渡価格や修理費用が安い事から目をつぶってもらえる事が多いです。

125cc超えのバイクは、たとえ無料譲渡や格安価格での売却、車検が残っている条件でも譲渡後に不具合と高額な修理代がかかる事が判明するとクレームに発展する可能性が高いです。

譲渡の条件が無料や格安での売却だったとしても、譲渡する前に不具合の内容や想定される修理費用を事前にしっかり伝えておくことが大切です。

まとめ


125cc超えのバイクは、原付とは違い、新所有者の管轄の陸運局のみで名義変更できる利点があります。しかし、車体が大きく250cc超えでは車検の必要性も出てくる事から、譲渡を巡るトラブルリスクが高いです。

車体が大きいと修理代や保管場所などの環境もあり、譲渡される側も思っていた事と条件が違うとクレームを言ってくることが多いです。

古いバイクや、譲渡される方が理解あり信頼できる方でなければ、個人売買や無償譲渡よりも業者に売却や処分を依頼した方がリスクがなく手軽です。

私のまわりでは、400ccクラスのバイクを格安で友人に譲渡したけど、その友人がどのような思惑や理由があったかは知りませんが、すぐに買取業者に売却してしまったトラブル事例があります。

せっかく善意で格安譲渡したのに、そのバイクをすぐに売られてしまうと、いい気分ではなく譲渡をきっかけに人間関係が悪化します。処分や売却を検討しているバイクを欲しいという方が現れても、個人間での譲渡は慎重に行いましょう。
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