ETC2.0とは?バイクに搭載するメリットと通常のETCとの違い


出典:http://www.mlit.go.jp/road/ITS/j-html/etc2/index.html

2017年9月1日以降に発売されるBMWのバイクは、全車ETC2.0を標準装備するサービスを開始しました。また、ホンダは、これまで通常のETCを標準装備していた車種について、2019年モデルよりETC2.0へアップグレードさせています。標準装備の進むETC2.0ですが、通常のETCと何が違うのかご存知でしょうか?

ETC2.0を利用すると、通常のETCより一部の高速道路(主に圏央道)が割引され、特定の条件を満たすと一時的に高速道路から降りて再び乗る際に同一料金になるお得なメリットがあります。さらに、スマホやカーナビと連動させると渋滞情報が届いて、目的地までスムーズに利用できるサービスの導入を予定されています。

普及の進むETC2.0の特徴とメリットをまとめました。

ETC2.0だけで利用できる新サービス

通常のETCでは利用できず、ETC2.0だけ利用できる新サービスは以下のものがあります。

・高速道路からの一時退出を可能とする「賢い料金」
・首都圏の圏央道の料金水準が約2割引
・一時退出・再進入の料金同一化(予定)
・渋滞を避けたルートを選択して料金割引(予定)
・渋滞、事故等の状況に応じた経路のアドバイス(予定)
・駐車場での利用料金決済(予定)
・フェリー乗船の簡素化(予定)
・ドライブ中の施設や観光の周辺情報配信(予定)

このほか、トラック向け(運送業向け)の運行管理や、通行申請の簡素化なども行われる予定です。現時点では、高速ツーリング中に道の駅を利用したい方や、圏央道をよく使う方しかメリットはありません。しかし、今後は幅広いサービスが実施される予定です

通常のETCを付けているバイクで、今すぐETCからETC2.0に乗り換えるメリットのある人は、ツーリング中に道の駅に寄りたい人と圏央道を頻繁に使う方です。新しくバイクを代替えする場合は、工賃を払ってETCを乗せ換えるのなら、ETC2.0の新品を導入した方が長期的に見たメリットが大きいです。

現在実施中のサービス

2018年12月現在のETC2.0限定サービスは、「賢い料金」と「圏央道の割引」の2点です。

「賢い料金」は、ETC2.0搭載車で対象のインターチェンジ(スマートインター含む)で降りて、対象の道の駅にチェックインしてから乗りなおすと、目的地まで高速道路を降りずに利用した場合と同じ料金になるものです。賢い料金が適用になるのは、インターを降りて乗りなおすまでの時間が1時間以内に限定されていて、対象の道の駅のETC2.0用信号を受信する必要があります。

「首都圏の圏央道の割引」は、2016年4月より、ETC2.0搭載車に限り通常料金より2割引きで利用できます。他のETC割引や障害者割引との重複適用は原則ありません。割引額の大きい方を優先されます。なお、料金所通過の際は通常のETC料金が表示されますが、請求額はETC2.0料金になります。

今後導入が予定されているサービス

今後は「乗りなおしの均一料金化」、「渋滞回避の割引」が検討されています。現在は一度高速を降りて乗りなおすと、新たな走行とみなされて高速を降りずに走行した場合より割高になります。

渋滞回避や給油、災害などで一時的に高速を降りた場合でも、降りずに走行した場合と同一料金にするプランを検討しています。乗りなおしの均一料金は、事故で1区間だけ一般道を走るなど、降りたインターチェンジと乗りなおすインターチェンジが異なっていても認める方向で検討されています。

渋滞回避割引とは、首都高など目的地に行く複数のルートがある場合に、ETC2.0から受信した情報に基づいて渋滞回避の迂回ルートを通ると、通常料金よりも安くなる仕組みです。ETC2.0からお得で早く目的地に行けるルートを指示されることで、渋滞緩和を期待されています。

このほかにも駐車場での決済サービス、フェリー乗船の簡素化など、バイク乗りにも嬉しいサービスの導入を予定されています。

ETC2.0に搭載されているDSRCとは

ETC2.0が通常のETCより優れたサービスを利用できる仕組みは、DSRC(Dedicated Short Range Communications)という専用狭域通信を利用していることです。DSRCは高速道路に設置された、通信機との双方向通信に特化した電波システムです。

これまでのETCは、料金所やチェックポイントの信号を受信するのみでしたが、DSRCによって双方向で情報の送信をできるので、一時的に高速道路を降りた場合など細かい情報を管理できるようになります。

また、各高速道路に設置された約1,600箇所のITSスポットから提供されるデータ受信の情報量が増えるため、渋滞情報などが配信されます。渋滞情報はスマホやカーナビと連携させる必要があり、古いカーナビではETC2.0との連携はできません。

バイクの場合は、運転中に同乗者がスマホから渋滞情報をチェックしたり、ラジオから情報収集することが難しいので、ETC2.0から最適な渋滞回避ルートを推奨されれば非常に便利です。

渋滞情報を受信する仕組みは、カーナビのVISビーコンと似ていますが、山間部に弱いVICSビーコンとは違い、ETC2.0は高速道路走行中に限定されますが、山間部でも確実に情報を受信できるメリットがあります。高速道路走行中に広域情報を受信できるので、さまざまなことに応用できます。

バイク用ETC2.0の料金

車載機本体:15,000〜20,000円
セットアップ料金:3,000円
工賃:6,000〜12,000円

合計で3万円前後が、バイクのETC2.0を取り付けるコミコミ料金です。通常のETCと取り付ける方法は同じなので、工賃に差はありません。本体代金も通常のETCと同等の料金です。

10,000円助成金キャンペーンを実施中

平成31年3月31日まで首都高、阪神高、名古屋高速のエリアに限定してバイク向けETC2.0導入助成金制度を行っています。これまでもETC2.0の普及を呼びかけて頻繁にキャンペーンを開催してきました。バイクにETCの設置を検討している方は、助成金情報もチェックしてみてください。

なお、助成金は平静30年6月まで、NEXCO東日本によって幅広い地域でのキャンペーンを行っていました。現在のキャンペーンはエリアが限定されていて、全国の情報をまとめた公式ページがありません。

2りんかんの特設ページを紹介しますので気になる方はチェックしてみてください。
https://2rinkan.jp/etc/

おわりに

ETC2.0は今後も普及していくことが濃厚で、標準装備や純正オプションのETCは、近い将来全てETC2.0の切り替わるでしょう。高速道路に乗りなおし乗車をできる環境ができれば、ツーリングの活用幅が広がります。

現在の制度は道の駅に立ち寄る際に1時間の制限があり、食事と買い物をゆっくり満喫するには窮屈に感じる時間です。予定しているサービスの導入とともに、割引率の増加や既存サービスの拡充なども併せて検討してもらいたいです。

長く乗る予定のバイクで、高速道路を乗る機会が多ければ、助成金を利用できるうちに乗せ換えを検討してみてください。渋滞緩和に向けた取り組みは、まだ実施されていませんがETC2.0の影響で渋滞が減って、連休中でも快適に高速ツーリングできる環境を作ってもらいたいです。

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