ホンダ「X-ADV」は本物のオールラウンドバイク!?

ホンダは世界最大のバイクメーカーで、これまでも新しいカテゴリーを積極的に開拓してきましたが、2000年以降は乗りやすさを重視した250ccネイキッドのCBR250Rや、125ccスクーターよりも一回り大きく、ビッグスクーターより取り回しが良いPCXなど、無難にヒットを狙いにいった車種が目立っています。

2017年になって、これまでの常識を覆す全く新しいジャンルのバイク「X-ADV」が4月に新発売されました。見た目はスポーティーなビッグスクーターなのですが、中身は本格アドベンチャーバイクで、悪路走破性能を兼ね備えています。エンジンはNC750シリーズなどと共通の750cc直列2気筒で、スクーターとしては異例の大排気量エンジンで、DCTを組み合わせたミッション形式が特徴です

X-ADVは、オンもオフも街乗りもできるアドベンチャースクーター

ホンダはあくまでもアドベンチャーバイクという位置づけにしていますが、シート下にフルフェイスヘルメットが入る大規模収納や、エンジンとフレームが入っているとはいえ、ステップボードなどスクーターに近い形状になっています。足付き性が良く中低速のトルクも太いので、ちょっとしたコンビニやスーパーなどのチョイ乗りや、毎日の通勤、買い物、長距離ツーリングや林道ツーリングまでマルチにこなせるオールラウンドバイクです

X-ADVは装備は充実しているけど、価格も豪華

X-ADVはグリップヒーター、スマートキー&イモビライザー、フルLED化など、先進の豪華装備を惜しむことなく投入されています。エンジンはNC750などでも採用されている既存モデルの流用ですが、フレームや足回りは専用設計で、駆動は街乗りから高速走行、オフロードまで最適化できるように、ドライブチェーンとDCT(デュアルクラッチトランスミッション)を合わせています。

既存の大型ビッグスクーターと比較しても豪華な仕様・装備になって魅力を感じますが、車両価格120万9千円〜と高額になっています。平日は街乗り、週末は冒険と2つの顔を持つバイクをコンセプトに開発されて、2台持ちをするならX-ADV1台にまとめた方がお得と捉えることもできますが、実績が少ないスクーター型アドベンチャーバイクで既存のミッションバイクユーザーが満足するかは不透明です。

現時点では、1台でなんでもこなせるマルチなバイクを探している方よりも、複数台のバイクを所有しているヘビーユーザーが購入していることが想定されます。今後、実績が増えて口コミの評判が良ければ、2台売却してX-ADVへ代替する人も増えそうですが、現時点では120万円の大金を払ってミッションバイクから代替することに対しても冒険心を感じられそうです。

オフロード走行性能はオマケ程度

X-ADVはオンロードもオフロードもこなせるデュアルバーパスバイクです。スポークホイールやハンドルバー&ガードなど装備も充実していますが、車高が低く重量があるため、崖を登ったりラリー向けの未整備道路を走れるほどの悪路走破性能はありません。通常のスクーターやロードバイクに比べてばオフロード性能は優れているので、砂利道を快適に走れますが、林道ツーリングは難易度が高そうです

ステップボードの位置の関係性により、スタンディング走行もできないので、激しいデコボコ道の適性はありません。DCTのトランスミッションも扱い切るにはコツがあるので、慣れるまでは無理に道が悪いところに行かない方が良さそうです。

X-ADVのスペック

車種名 X-ADV
排気量 248cc
新車価格 1,209,600円〜
発売時期 2017年4月
エンジン形式 水冷4サイクル直列2気筒/DOHC4バルブ
燃費 国土交通省届出値41.0 km/L (60 km/h) 2名乗車時
トランスミッション形式 電子式6段変速(DCT)
クラッチ形式 湿式多板
燃料供給方式 電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)
フレーム形式 ダイヤモンド
乾燥重量 238kg
乗車定員 2名
最高出力 40kW(54PS)/6,250rpm
最大トルク 68N・m(6.9kgf・m)/4,750rpm

まとめ

当記事は2017年7月に作成し、X-ADV発売から3ヶ月が経過した時点での情報です。発売以降、各メディアの試乗インプレッションは高評価が目立っていますが、気になるのは購入したオーナーのレビューです。現在は外観に惚れ込んだり、新型バイクに乗る優越感を味わいたい方がオーナーになることが多いようです。

豪華装備で値段に見合う仕様になっているのは理解できますが、同じエンジンのNC750Sに比べて50万円ほど割高なのも気になるところです。メーカーからも、X-ADVをたくさん売ろうという気は感じられず、未来のバイク開発のための挑戦といった思惑がありそうです。

つまり、X-ADVは不透明な部分が多い一方で、現行車の中でも限りない可能性を秘めているバイクで、メーカーの熱量が多い渾身の新型バイクです。

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